世界中で新型コロナウイルスのワクチン開発が進められている。投資家にとっても大きなチャンスと言える。
REUTERS/Kai Pfaffenbach
- 新型コロナウイルスのワクチン開発に向けて臨床試験を行っているモデルナ、ファイザー、バイオンテックの3社は、米食品医薬品局から優先審査の対象に選ばれている。
- バンク・オブ・アメリカは、バイオ医薬品会社7社について、ワクチン開発競争の「最推奨株」に選定した。
バイオ医薬品業界では新型コロナウイルスのワクチン開発競争が激化している。
米モデルナ、米ファイザー、独バイオンテックはすでにヒト対象の臨床試験を行っており、いずれも最も完成に近い候補ワクチンとして米食品医薬品局(FDA)から優先審査(ファストトラック)の対象に選ばれている。これにより、政府からの支援を受け、研究開発のスピードを上げることができる。
ワクチンの共同開発を進めるファイザーとバイオンテックの株価は、7月13日に両社が優先審査の対象に選ばれたことが報じられると、ファイザーが5%、バイオンテックが13%急上昇している。
また、5月の段階で優先審査の対象に選ばれていたモデルナの株価も、NASDAQ100(=米NASDAQ上場企業の時価総額上位100銘柄)に名を連ねるとのニュースが報じられ、18%跳ね上がった。
有効なワクチンの発見は世界経済にとって大きな意味がある。パンデミック(世界的大流行)前の水準まで経済活動を復活させるために、どうしても乗り越えなくてはいけないハードルだ。
とはいえ、それはまた他にない投資の絶好機でもある。
7月8日付のレポートで、米大手銀行バンク・オブ・アメリカは、ワクチン開発競争の現状における「最推奨株」として、バイオ医薬品会社7社を選んでいる。
その意味するところは、7銘柄がワクチン/治療分野において大きな(すなわち「高」あるいは「中」レベルの)価格変動リスクにさらされていて、なおかつバンク・オブ・アメリカのアナリストは「買い」レーティングと評価しているということだ。
以下にその7銘柄を紹介しよう(順不同)。
イーライリリー(Eli Lilly)
Markets Insider
時価総額:1540億5500万ドル(約16兆9500億円)
年初から7月15日までの株価上昇率:26%
アムジェン(Amgen Inc.)
Markets Insider
時価総額:1372億5600万ドル(約15兆1000億円)
年初から7月15日までの株価上昇率:5.8%
アサーシス(Athersys)
Markets Insider
時価総額:4億3600万ドル(約500億円)
年初から7月15日までの株価上昇率:128.6%
ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)
Markets Insider
時価総額:3930億4400万ドル(約43兆2300億円)
年初から7月15日までの株価上昇率:0.8%
アストラゼネカ(AstraZeneca)
Markets Insider
時価総額:1386億3600万ドル(約15兆2500億円)
年初から7月15日までの株価上昇率:7.7%
ノバルティス(Novartis)
Markets Insider
時価総額:2013億9900万ドル(約22兆1500億円)
年初から7月15日までの株価上昇率:-8.1%
サノフィ(Sanofi)
Markets Insider
時価総額:1283億8000万ドル(約14兆1200億円)
年初から7月15日までの株価上昇率:-0.5%
(翻訳・編集:川村力)