- ウーバーは、黒人が所有する中小企業を支援するために1000万ドルを投資するなど、「人種差別に反対する会社」になることを表明している。
- ウーバーのダラ・コスロシャヒCEOは、同社が人種的な不平等と戦うためには「もっと多くのことをしなければならない」と述べた。
- 同社は、ドライバーらを対象とする反人種差別教育を充実させ、偏見や差別の問題に特化したカスタマーサポートを創設し、より多くの黒人マネージャーや技術者を雇用すると述べている。
- ウーバーはまた、2020年内は黒人が所有するレストランの配達料を免除するという。
ウーバー(Uber)のダラ・コスロシャヒ(Dara Khosrowshahi)CEOは、同社が反人種差別的になるために努力しており、その過程で黒人が経営する中小企業を支援するために1000万ドルを供出すると述べている。
17日に公開された長文のブログ記事の中でコスロシャヒは、役員報酬を多様性の目標に連動させたり、給与の公平性を達成するために努力したりすることを含め、ウーバーが社会や社内の人種的不平等と戦うために行っていることについて説明した。しかし、コスロシャヒは「もっと多くのことをしなければならない」と述べている。
「おそらくあなたは、ウーバーがこの問題に取り組んでいないと思っているでしょう。しかし、ここ数年の間に、多くの反省と変化を経て、我々は今までとは違う、よりよい会社になるために挑戦し続けている」
同社は、ドライバーだけでなくライダーにも反レイシズムの教育を拡大し、偏見や差別問題に特化したカスタマーサポートを創設する計画だという。また、より多くの黒人技術労働者と、指導的役割を担うより多くの黒人従業員を雇用することも計画している。
さらに、ウーバーは2年間で1000万ドルを拠出して、黒人が所有する中小企業を支援することを表明している。また、2020年の残りの期間、黒人経営のレストランの配達料を免除する。
「私はこれらの行動が、ウーバーで働いている人やウーバーとともに働いている人全員が平等に扱われ、存在価値を感じられるようにするために役立つと楽観視している」とコスロシャヒは述べた。
「しかし、一過性ではいけない。いつも通りのビジネスが戻ってきたと感じた後でも、実行し続けることが重要だ」
ウーバーをはじめとする配車プラットフォームは、過去にドライバーの人種差別や白人以外が多く居住する地域での不当な価格設定などが指摘されてきた。
スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学、ワシントン大学の研究者による2016年の研究では、ライドシェアアプリ上で「人種差別の重大な証拠」が発見された。この研究では、黒人は白人よりも長い待ち時間を経験し、キャンセルされることが多かったとThe Atlanticは伝えている。
6月に行われたジョージ・ワシントン大学の調査では、ウーバーのような企業が使用しているアルゴリズムには著しい社会的バイアスがあり、貧困層が住む地域や白人が多く住んでいない地域の料金が高くなっていることが判明した(この調査を受けて、ウーバーは「アルゴリズムによるものにせよ、ユーザーの意思によるものにせよ、プラットフォーム上でのいかなる差別も容認しない」と述べている)。
ウーバーは過去に自社内での人種差別問題に直面したと報じられている。ロイター通信によると、2018年には人事責任者を務めていたリアン・ホーンジー(Liane Hornsey)が、社内での人種差別についての苦情の処理の仕方についての調査を受けて辞任している。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)