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ビジネスプロデューサー集団ドリームインキュベータが、投資家として企業を育てる理由

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原田哲郎氏

創業以来、大企業のビジネスプロデュースとベンチャーのインキュベーションを事業の柱にして事業創造育成に取り組んできたドリームインキュベータ(以下DI)だが、その中で「事業投資」が大きな存在感を持ちつつある。事業投資とは、IPOを前提としないベンチャー投資で、グループ会社化して事業育成を行う手法のこと。やり方はユニークだが、DIのミッション「社会を変える 事業を創る。」が通底しているのは他の事業と変わりがない。代表取締役CEO原田哲郎氏に、DI流のベンチャー育成について話を聞いた。

「東京ガールズコレクション」に投資した理由

原田哲郎氏

ドリームインキュベータ代表取締役CEO原田哲郎氏。

日本最大級のファッョンフェスタとしてすっかり定着した東京ガールズコレクション(以下TGC)。今や日本の若い女性のみならず世界でも注目を集めるイベントに成長したが、一時はブランド毀損の危機に直面していた。実はその危機からTGCを救ったのがDIであることはあまり知られていない。アパレル業界と直接関係のないプロフェッショナル・ファームのDIが、なぜTGCの支援をしたのか。原田氏が経緯を次のよう明かす。

「TGCの運営会社は商標権を担保に借り入れをしていましたが、資金計画に狂いが生じて、商標権を手放すことに。新たに商標権を持った会社は売却先を探していたのですが、TGCに理解のない会社が商標権を握るとブランドをコントロールできなくなる恐れがあった。そこで私たちが2012年に商標権の過半数を取得しました」(原田氏)

DIは大企業向けにビジネスプロデュース支援を提供するかたわら、ベンチャー企業に出資してインキュベーションするベンチャー投資を創業当初から行ってきた。TGCの商標権取得もベンチャー投資と共通するところはあるが、DIはこれをベンチャー投資と区別して「事業投資」と呼んでいる。ベンチャー投資との決定的な違いは、IPOを前提としていないことだ。

「2006年のライブドアショック、続く2008年のリーマンショックで新興市場が壊滅して、ベンチャー投資は出口がなくなってしまいました。しかし、新しい産業をつくっていくためには、ベンチャーの育成をやめるわけにはいきません。そこで模索したのが、ベンチャー企業の株式のマジョリティを取得してグループ会社化し、IPOを前提とせずに成長させて株式譲渡するかグループ内でさらに育てる『事業投資』というスキームでした」(原田氏)

投資後に企業価値を高めるという意味では、PE(プライベート・エクイティ)ファンドの立ち位置に似ていなくもない。しかし、PEファンドは償還の期限があるため、コスト削減など即効性の高い施策で企業価値の向上を図り、短期間で売却する。それに対してDIの事業投資は必ずしも売却の必要はない直接投資であり、長期的な視点で成長を支援できる。事業投資の目的は、あくまでも事業を育てることであり、具体的には大企業のビジネスプロデュースやベンチャーのインキュベーションで培ったノウハウや、人的ネットワーク等の経営資源を提供して成長を促していく。

実際、TGCのケースでは、運営会社に大口顧客を紹介するなどの形で成長をサポート。そのうえで、2015年、ブランドをうまく活用できるであろうエンタメ系企業に商標権を譲渡した。現在のTGCの成長ぶりを見れば、DIが掲げる「事業を育てる」という目的をきちんと果たしたことがわかるだろう。

廃墟から立ち直った広島を見て確信した「使命」

広島

Getty Images

DIが行った事業投資はTGCだけではない。現在はペット向け医療保険を販売するアイペット損害保険、イベントの電子チケットの販売プラットフォーム事業を展開するボードウォーク、フリーコンサルタントのマッチングを行うワークスタイルラボなどベンチャー3社をグループ会社化して支援している。投資先の事業領域がばらばらで脈絡がないように見えるが、投資の基準ははっきりしている。「社会を変える」事業であることだ。

「DIは今年から新しく『社会を変える 事業を創る。』とミッションを定めました。ただ、それは創業からずっとやってきたこと。戦後の日本を引っ張っていったのは製造業を中心とした産業構造でしたが、その社会モデルは限界に来ています。これからはモノからコトの消費に移り、心の豊かさを追求する産業が日本を支えていく。私たちはそうした新しい社会に相応しい産業をつくるお手伝いをしていきたい。TGCはエンタメのコト消費。ペット医療保険もペットの存在が人々の心の癒しになると判断したから投資を決めたのです」(原田氏)

産業を通して社会を幸せにする――。これは原田個人のミッションと合致する。原田は中学生のころから母が働くたこ焼き屋でたこ焼きを焼いていた。接客を通して人に喜んでもらえることを知ったのが、初めての就労体験だ。その後、経済的事情から進学を断念。「やるなら社会的に意義のある仕事をしたい」と海上自衛隊に入隊する。

配属は江田島の第1術科学校。世間から隔絶された小さな島で、3年間訓練を積んだ。休暇で広島の街を訪れたとき、これまで感じたことのない想いが台頭してきた。

「原爆が落ちて廃墟になった街が、ここまで豊かになったのかと。その様子を見て、戦争から国を守る仕事も大切だけれど、ここから先の自分は産業で社会を豊かにする仕事をしたいと思いました」(原田氏)

そこから大学進学、保険会社勤務を経て、創業間もないDIへ。以来、ビジネスプロデューサーとして数々の案件を手掛けてきた。成功を収めた案件もあれば、投資先が倒産して社員全員解雇の場面に立ち会ったこともある。「社会を幸せにする」という意味でとくに印象に残っているのは、アイペット損害保険が東証マザーズ市場に上場する直前の忘年会に駆けつけたときの従業員の笑顔だ。

「事務センターは青森にあって、従業員はシングルマザーなどご苦労されている女性も少なくなかった。うちも母が保険会社の外交員など苦労をしながら僕を育ててくれたので、重なりましてね。事務センターのスタッフのみなさんの似たようなご境遇を伺いながら、ここにいる方々のキャリアや生活を支えることも、まさに産業を通して社会の役に立つことなのだと、思いを強くしました」(原田氏)

新経営陣3人のキャリアのスタートが、みんな公的機関だった理由

原田哲郎氏

DIは2020年6月、経営体制を新たにして、原田氏を含む3人の代表取締役体制になった。原田氏が自衛隊出身であることは先に紹介したが、代表取締役COOの三宅孝之氏は経産省、代表取締役COOの細野恭平氏は国際協力銀行と、実は3人とも公的機関からキャリアをスタートさせている。

「3人ともベースにあるのは、『社会に貢献したい』という公共心です。それを事業・産業で実現するために民間へ飛び出して、DIで合流しました。キャリアが似ているのは偶然ですが、方向性は同じ。これからも事業や産業をつくることで社会を良くするお手伝いがしたいと思っています」(原田氏)

事業投資も、さらに強化する考えだ。とはいえ闇雲に投資の数を増やしたり領域を広げたりするのではない。

「今、投資している領域の幹を太くしていく。例えばペット保険はペットライフスタイル事業と捉え直して、新しい可能性を探っていきます。新型コロナの影響で、外出自粛や在宅ワーク、子どもの在宅学習も長期化するなか、鬱々とした気持ちを和らげてくれるペットの重要性が増しています。ペットと共に暮らす心の癒しや、潤いのある豊かな社会創りにも、もっと貢献していければと思います」(原田氏)

新たなステージに入ったDIが、これから何を見せてくれるのか。非常に楽しみだ。


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