ケイティ・レデッキー選手。
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- 2016年のリオデジャネイロ五輪で4つの金メダルを獲得し、現在、競泳の世界記録を3つ持っているアメリカのケイティ・レデッキー選手(23)は、東京オリンピックに向けて、裏庭のプールでトレーニングを積んでいた。
- レデッキー選手は、チームメイトで同じくリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したシモーネ・マニュエル選手(23)とともに、スタンフォード大学近くのアパートからあまり遠くない、ある一家の裏庭で泳いでいたという。
- 「ベイエリアのとても親切な一家がわたしたちを毎日、裏庭で泳がせてくれたんです」とレデッキー選手はInsiderに語った。
ケイティ・レデッキー選手は史上最高の女性競泳選手だ。
しかし、これほどのアスリートですら、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、これまでにない課題に直面した。
2016年のオリンピックで表彰台にのぼるレデッキー選手。
Clive Rose/Getty Images
2012年のロンドン五輪と2016年のリオデジャネイロ五輪で合わせて5つの金メダルを獲得し、現在、3つの世界記録を持っているレデッキー選手にとって、最大のハードルは泳ぐ場所を見つけることだった。新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために、普段トレーニングをしているスタンフォード大学が閉鎖されると、レデッキー選手とアメリカ代表のチームメイトであるシモーネ・マニュエル選手 —— 彼女もオリンピックで4つのメダルを獲得している —— は、新たに安全に泳げる場所を大急ぎで探した。
2人のソリューションは、"ベイエリアの裏庭のプール"という形で現れたと、レデッキー選手はInsiderに語った。
「シモーネとわたしは3カ月、裏庭のプールでトレーニングしました。ベイエリアのとても親切な一家がわたしたちを毎日、裏庭で泳がせてくれたんです」
「こういう時は誰もが創造力を発揮しないといけないですね」とレデッキー選手は話した。
泳ぐレデッキー選手。
Adam Pretty/Getty
レデッキー選手とマニュエル選手はその後、「たくさんの決まり事とともに」スタンフォード大学のプールでチームメイトに合流することができたという。だが、自粛期間中の多くの時間をアメリカのスーパースター2人は、ご近所さんが芝刈りをしている隣で自分たちだけでトレーニングを積んでいた。
「数カ月の間、シモーネとわたしだけで練習を頑張っていました」
「水の中にいて、水を感じることができたのは、本当に素晴らしいことでした。スイマーにとってそれが最も重要なことです。おかげで体調を維持できたし、水の感覚を忘れずにいられたし、泳ぎに行くことでああいう時期にある種の平常を感じられたことはとても良かったです」
先行きが不透明な中、チームメイトがそばにいたことも大きかったという。
金メダルを獲得し、喜ぶレデッキー選手。
Adam Pretty/Getty
「お互いを支え合うことができたし、わたしたちは自分たちが経験していることを理解していました。互いをとても前向きにし、未来に集中させることができたんです」とレデッキー選手は語った。
プールの外でも、忙しくしている。現在、大学のキャンパス近くのアパートで自粛生活を送っているレデッキー選手は、スタンフォード大学の授業を"フルリモート"で受け、空き時間には東海岸に住む家族や友人たちとビデオチャットを楽しんでいるという。
(翻訳、編集:山口佳美)