アピーはフランス南部の小さな町だ。
Renault
- ルノーは町全体に電気自動車(EV)を無償提供した。
- フランス南部の小さな町アピーの全世帯は、ルノーのゾエを3年間無料で借りることができるが、印象や体験をルノーに報告しなければならない。
- ルノーはこのプログラムを通じて、EVが都市住民だけでなく地方のドライバーにとっても実用的であることを証明しようとしている。
- ルノーは参加する各家庭に家庭用充電器を支給し、充電ステーションも設置している。
フランスの自動車メーカー、ルノー(Renault)は町全体に電気自動車(EV)を無償で提供したが、それには条件がある。
フランス南部のアリエージュ県にある小さな町、アピーの全世帯に新型EV「ゾエ(Zoe)」を3年間の無償リースで提供するが、その代わりに、住民はルノーにEVとそれを所有することについての印象などを報告する必要がある。ルノーによれば、この取り組みは「顧客が日々、EVとどのように関わり、どのように使用しているかを理解するのに役立つ」という。
ルノーはまた、EVは都市部の住民だけのものではないことや、航続距離400kmといわれているゾエが従来のガソリン車と同じ様に農村部のニーズに対応できることを示そうとしている。
「フランスで最も孤立した町の住民がEVを導入できれば、誰にでもできることを証明することになるだろう。そして、電気自動車の購入や走行にまつわる根拠のない噂を一掃することができる」とルノーは述べている。
さまざまな調査によると、EVの普及を阻んでいる主な障害は、航続距離の不安と充電ステーションの不足だという。ルノーは、アピーの居住者が少しでも楽になるように、充電ステーションを設置し、参加全世帯に家庭用充電器を提供する。
アピーに住む26人以外のヨーロッパ人も、ルノーのEVを無料または非常に安い価格で手に入れることができる。ブルームバーグ(Bloomberg)によると、ドイツでは、政府からの多額の補助金のおかげで、電気自動車を購入すると9000ユーロ(約110万円)の割引が受けられるという。フランスでも7000ユーロ(約86万円)の補助があり、ゾエを月79ユーロ(約9700円)で借りることができる。
[原文:Renault just gave an entire French town free EVs to prove it's easy to go electric]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)