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ミレニアル世代の若者とそのお金の使い方は、初めて購入する持ち家からマヨネーズまで、さまざまなものを消滅させてきたと言われている。
若者たちの志向が上の世代と異なる理由はたくさんある。不況の最中に就職活動をしたことがその主な理由で、多くの若者が学生ローンを抱えていることも関係している。
ところが、新型コロナウイルスの大流行と戦うアメリカでは、多くの消費者がライフスタイルの変化に伴って、消費行動を変えている。ミレニアル世代の若者たちも例外ではなく、これまで買わなかったものを買うなどしているようだ。
ミレニアル世代によって消滅させられた後、復活しつつあるものたちを見ていこう。
初めて購入する持ち家
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記録的な金利の低さと在宅勤務の広まりが重なって、多くのミレニアル世代が初めての家の購入を検討している。
ニューヨーク・タイムズによると、住宅ローンの申し込みは2008年のサブプライム住宅ローン危機以来、最多水準に急増しているという。
ビール
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Planet Moneyが引用したIRIのデータによると、3月上旬から6月下旬までの店舗でのビールの売り上げは前の年に比べて27.5%増えたという。
売り上げが増えた理由としては、各地でレストランやバーなどが閉まっていたことが大きい。それでもIRIのデータによると、店舗でのビールの売り上げは、低価格ビール、輸入ビール、クラフトビールを含め、全体的に伸びている。
データが示すように、ミレニアル世代はビールよりもワインやスピリッツを好み、上の世代よりもアルコールを飲まないことから、この世代がビール産業を消滅させようとしていると言われてきた。
料理
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2018年のレポートで、UBSのアナリストたちは食事の配達サービスの成長について議論し、ミレニアル世代の消費習慣が最終的に自炊を消滅させる可能性があると指摘した。
「2030年までに、家庭で調理される食事の大半がレストランや集中調理施設ではなく、オンライン注文と配達に変わる可能性がある」と当時のアナリストたちは書いた。
ところが、新型コロナウイルスのパンデミックで多くの人が家で自炊をするようになった。
自炊の増加はゼネラル・ミルズ(General Mills)といった食品会社やスパイスメーカーのマコーミック(McCormick)によって良いニュースとなった。直近の四半期決算ではいずれも予想を上回る売り上げを報告した。
マヨネーズ
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ユニリーバ(Unilever)は7月の決算で、ヘルマン(Hellmann)のマヨネーズへの需要が同社の直近の四半期の食品小売部門の2桁成長に貢献したと述べた。
この成長は、パンデミックの最中、消費者が自宅で食事を作ることが増えたせいだとユニリーバはいう。
マヨネーズについては近年、若い世代の間で賛否が分かれていた。
ツナ缶
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ツナ缶への需要も、パンデミックの最中に急増した。恐らく、ツナ缶は保存がきき、比較的安価なタンパク質だからだろうと、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。
業界の専門家たちは2018年、ミレニアル世代の若者たちがツナ缶を消滅させようとしていると述べた。若者たちにとって、缶を開けるのは労力がかかり過ぎるからだという。多くの若者たちは缶切りすら持っていないかもしれないとも語っていた。
シリアル
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ミンテル(Mintel)の2016年の調査では、ミレニアル世代の若者の40%近くがシリアルは朝食のメニューとして不便だと答えた。食べた後の片づけが面倒だからだという。
ところが、パンデミックの影響で食べ物を家にストックしておく人が増えたおかげで、シリアルは復活を果たすかもしれない。ニールセンによると、すぐに食べられるシリアルの6月20日までの1週間の売り上げは、前の年の同じ週に比べて61.7%伸びている。
ゴルフ
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パンデミックの最中でも比較的安全に屋外で楽しめるスポーツとして、ゴルフの人気が高まっている。
AdAgeが引用したNPDグループのデータによると、ゴルフの練習用ネットとスクリーンの売り上げは3月、前の年の同じ月に比べて144%、パットの練習用マットは138%伸びたという。
上の世代に比べてゴルフへの興味があまりないミレニアル世代の若者たちは、数年前からゴルフの低迷の一因だと言われてきた。
(翻訳、編集:山口佳美)