エコノミストの世界は非常に差別的…元FRBの女性エコノミストが批判

FRB

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  • 連邦準備制度理事会(FRB)で働いていた女性経済学者が、人種や性別の多様性が欠如していることを理由に、経済学の専門職は「恥ずべきもの」だと述べている。
  • クラウディア・サームは、経済学における多様性と包括性の欠如は、「我々の知見と政策アドバイスの質を低下させている」と、長文のブログに書いている。
  • 「ネイティブアメリカンの女性がどれだけ経済学者になっているか。ごく少数だ。FRBで働いている黒人エコノミストの数は何人か。406人中1人だ」と書いている。
  • サームは2007年から2019年までFRBで働いていた。

元連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが、自身の職業を「恥ずべきもの」と呼び、経済学の多様性の欠如を非難し、この学問は性差別的で人種差別的だとブログ記事で述べている

2007年から2019年まで連邦準備制度理事会に所属し、部門長を務めたこともあるクラウディア・サーム(Claudia Sahm)は、約6000語の長文のブログ記事に「経済学は恥ずべきもの」 というタイトルを付けた。

「エコノミストの世界は恥ずべきものだ。この分野の多様性と包括性の欠如は、我々の知見と政策アドバイスの質を低下させている」と、現在はWashington Center for Equitable Growthでマクロ経済政策のディレクターを務めているサームは言う。

「我々は大学の教室からホワイトハウスのオフィスに至るまで、経済学者を傷つけている。才能あるものを追い払い、留年した者を粗末に扱い、悪行を容認している」

「ネイティブアメリカンの女性がどれだけ経済学者になっているか。非常に少数だ。FRBで働いている黒人エコノミストの人数を知っているだろうか。406人中、たったの1人。この世界は恥ずべきものだ」と彼女は付け加えた。

サームは自身の投稿の中で、経済学者による人種差別的な行動の数々と、彼女自身が経験した性差別の例をあげている。

また、金融危機の真っ只中のエコノミストになった最初の年に自分の仕事が不十分であると感じさせられたことや、2008年の業績評価で「最高の評価を得た」にもかかわらず、経済学の博士号を取得する資格がなかったことなど、何十ものエピソードを語っています。

「私や他の人の経験から、新米エコノミストは弱者であることを学んだ。彼らは嫌がらせを受けやすく、なので互いに親密になりやすい。彼らは力を持たず、何が許容されるのかを知らず、しばしばインポスター症候群(編注:自分の達成したことを肯定できずに、自分は詐欺師であると感じる傾向)を患っている」と彼女は言う。

ジェローム・パウエル

FRB議長のジェローム・パウエル。サームが勤務していたときは議長ではなかった。

Carolyn Kaster/AP

サームは「2008年から2011年にかけて、一人のエコノミストが他人に私の専門知識を貶めていた」と述べている。FRBの同僚は、彼女をかばっていたが、アメリカ雇用機会均等委員会に提訴するように助言するには至らなかったという。

双極性障害を患っているというサームは、勤務中に精神的な健康状態が悪化し、FRBの文化がその一因だとしている。また彼女はブログで、FRBに所属している間に何度か自殺を図ったことを明かしている。

彼女は2011年8月の連邦公開市場委員会(FOMC)の会議前に「爆発」し、病院に収容された。

サームは、この分野ではより進んだ民主化が必要であり、専門職の有害な環境を変えるために、より多様性を持つよう取り組む必要があると述べている。

「我々の文化を変更するための努力は、実際に行動しなければ意味を持たない。勝利の凱歌ではなく、進歩の遅れと不十分な実行状況を恥じるべきだ」と彼女は書いている。


[原文:A female former Fed economist said economics is a 'disgrace' and blasted her profession as racist and sexist

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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