「SNSはニュアンスを破壊するマシンだ」歴史的な公聴会でアマゾンCEOが発言

2020年7月29日、アメリカ下院の公聴会で証言するアマゾンCEOのジェフ・ベゾス。

2020年7月29日、アメリカ下院の公聴会で証言するアマゾンCEOのジェフ・ベゾス。

Mandel Ngan/Pool via REUTERS

  • アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは7月29日(現地時間)、フェイスブック、グーグル、アップルのCEOも参加した歴史的なアンチトラスト法に関する公聴会の中で、ソーシャルメディアは「ニュアンス破壊マシン」であると発言した。
  • このコメントは著名人の発言の揚げ足を取る「キャンセル・カルチャー」について4人のCEOに意見を求めたジム・ジョーダン下院議員(共和党)の質問に答えてのものだ。
  • 公聴会は、非競争的なビジネス慣行をめぐって各社の幹部を尋問するために行われたが、予想通り、議員たちの質問はコースを外れ、ユーザーデータの機密性や選挙妨害などのトピックを掘り下げた。

アマゾン(Amazon)のジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)CEOは、7月29日(現地時間)にアメリカ議会で行われたアンチトラスト法に関する公聴会で、ソーシャルメディアは「ニュアンス破壊マシン」だと語った。

彼のコメントは、ジム・ジョーダン(Jim Jordan)下院議員(オハイオ州、共和党)が、グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)を含めたすべてのCEOにいわゆる「キャンセル・カルチャー」に関する姿勢を尋ねた質問に対する回答だ。キャンセル・カルチャーとは、著名人の過去の発言や行動、SNSでの投稿について、前後の文脈や時代背景を無視して問題視し、糾弾すること。

ジョーダン議員は質問の中で、物議を醸しているニューヨーク・タイムズ(NYT)の編集者の辞任にも言及した。バリ・ワイス(Bari Weiss)は7月中旬にNYTを離れた際に手記を書いている。彼女は自身の発言に対してツイッター(Twitter)ユーザーやNYTの同僚からの批判が広がった後、NYTには保守的な意見を検閲する文化があることを理由に辞任した。

これについては、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOが、表現の自由を固く信じていると答えた一方、アップルのティム・クック(Tim Cook)CEOは、オンライン上の人々による糾弾の有益性については懐疑的だと表明した。

この公聴会は、アメリカ下院司法委員会の反トラスト小委員会が開催したもので、グーグル、アマゾン、アップル、フェイスブックのCEOに、市場独占を助長する反競争的な商慣行について尋問することを目的としていた。

しかし議員たちは、ユーザーのプライバシーや選挙への干渉、ジョーダン議員の場合はキャンセル・カルチャーといった問題にまで踏み込んで、本題から逸れることも多かった。


[原文:Amazon CEO Jeff Bezos said social media is a 'nuance-destruction machine' when asked about his views on 'cancel culture'

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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