「個室はプレハブ」「家電はアイリスオーヤマ」記者が見たお台場コロナ療養施設の全貌【写真24枚】

アリーナの全景

提供:日本財団

7月31日、東京では1日に確認された新型コロナウイルスの感染者が400人を超えた。

その前日、日本財団は東京・お台場にある船の科学館駐車場と日本財団パラアリーナに建設した新型コロナウイルス感染者の宿泊療養施設「日本財団災害危機サポートセンター」を報道陣に公開した。

250床分の施設を宿泊療養者(無症状感染者、軽症者)向けの施設として東京都に提供するとしている。

具体的な稼働時期は未定だが、今後感染者が増え続けていけば、実際にこの施設で療養する人が出てくることになるだろう。

その施設内部の様子は、次のようなものだった。

船の科学館からみた災害危機サポートセンター全景。左側にパラアリーナ、右側に個室型プレハブハウスが並ぶ。奥にはグランドニッコー東京ホテルやフジテレビが見える。

日本財団災害危機サポートセンター全景

提供:日本財団


医療従事者の待機場所となる大型テント。物資搬入などの作業も行われる。広さは600平米。

大型テント

撮影:三ツ村崇志


大型テントの内部。今後、スタッフの控室や診察エリアなどが設置される。

テント内

撮影:三ツ村崇志


大型テント内に設置されたナースコールの表示器。個室型プレハブハウス内に設置されたナースコールを押すと、部屋番号が光る。待機している医療従事者がすぐに部屋に向かうことができる。

ナースコール表示器

撮影:三ツ村崇志


個室型プレハブハウスは合計で14棟。1人部屋130室、2人部屋10室、合計150床が整備された。

プレハブハウス

撮影:三ツ村崇志


プレハブハウスが設置された場所は、元々は広い駐車場だった。ゆりかもめ東京国際クルーズターミナル駅(旧:船の科学館駅)が近い。

駐車場

提供:日本財団


個室の入口には、ナースコール時の番号やインターフォンがある。ドアの上にはナースコールを押した時に点灯するライトも。

個室の入り口

撮影:三ツ村


1R20平米の一人部屋。エアコンはもちろん掃除機や洗濯機、テレビなどの家電も整備されている。思ったよりも快適そうだ。

個室

撮影:三ツ村崇志


電子レンジ、冷蔵庫、電気ケトル、IHコンロ、TV、洗濯機など、確認できた家電はアイリスオーヤマ製だった。全て日本財団が購入したものだという。

家電一式

確認できた家電はアイリスオーヤマ製だったが、日本財団の広報担当者によると、他社製品も使われているという。

撮影:三ツ村崇志


ベッドは電動のリクライニング付きだ。

ベッド

撮影:三ツ村崇志


ベッドが2つ設置された「家族棟」も10室(20床)ある。ただし、部屋の広さや設備は1人用と同じだ。

2台のベッド

撮影:三ツ村崇志

ベッドとテレビ

撮影:三ツ村崇志


ベッドの脇にはナースコールが設置されている。ボタンを押すと、大型テント内にあるナースコールの表示器の部屋番号や、部屋の入り口の上にあるライトが点灯する。

ナースコール

提供:日本財団


洗濯機の隣には、トイレやシャワー室がある。トイレは洋式。どちらも非常に清潔感があった。シャワー室やトイレにもナースコールが設置されている。

洗濯機

撮影:三ツ村崇志

洗面所とシャワー

提供:日本財団

ナースコール

ナースコールを押すと、ランプが点灯する。

撮影:三ツ村崇志


日本財団パラアリーナ内には、100床の仮設病棟が整備されている。

アリーナ

撮影:三ツ村崇志


アリーナ内の仮設病床は、パーテーションで区切られた簡易的なもの。

アリーナの全景

提供:日本財団


ベッドに机、ロッカーと、必要最低限のものしかない。ナースコールの設置予定もない。夏、暑くなった時の空調が少し不安だ。

仮説病床内

撮影:三ツ村崇志


アリーナの外には、洗面場と簡易トイレや簡易シャワーが各30個(男性用各21、女性各9個)設置されている。

トイレ

撮影:三ツ村崇志


トイレは幸い、洋式だ。

簡易トイレ

撮影:三ツ村崇志


感染者を搬送するためのタクシーも100台整備する予定。運転席と後部座席の間は、ビニールシートで隔てられていた。

搬送用タクシー

撮影:三ツ村崇志


タクシー車内

撮影:三ツ村崇志


今のところ、敷地内にWi-Fiは整備されていない。日本財団広報は「今後整備する予定です」と話していた。

船の科学館

撮影:三ツ村崇志



「医療崩壊を防ぐことが最大のミッション」

笹川

日本財団の笹川順平理事。

撮影:三ツ村崇志

日本財団がサポートセンターの建設を発表した4月3日の会見では、当初、お台場には1200床の病床を確保するとしていた。

病床数を250床と大幅に削減した理由について、日本財団常務理事の笹川順平氏は、

「メンタルケアを意識して広々とした空間を用意しました」

と、生活空間としてある程度の広さを確保したとしている。感染が確認された場合には10日以上隔離されるケースがあるためだ。

施設は「個室は快適」「仮設病床は簡素」

一人部屋

提供:日本財団

実際に施設を見て回ると、個室型プレハブハウスであればシングル用のビジネスホテル並みの環境のように感じた。エアコンなども十分効いており、プレハブという言葉から想像する以上に快適さもありそうだ。

一方、パラアリーナに設置された仮設病床は、かなり簡素なつくりになっている。率直な感想として、「ここで10日以上過ごすことは避けたい」と感じた。

なお、Wi-Fiなどの通信環境はまだ整備されていなかったものの、日本財団広報に問い合わせると「今後整備していく方針」との回答を得た。長期間の隔離生活において、通信環境の有無は死活問題だ。

日本財団によると、船の科学館の敷地内での移動がどこまで許されるのか、家族や友人などからの差し入れは受け取れるのか、そういった細かい運用方針は現在東京都と調整中だとしている。

いかに環境を整備したとしても、長期間の隔離生活を簡易的な宿泊施設で送るストレスは計り知れない。

「こういう施設が『使われないで済む』という状態になることを願っております」(笹川会長)

と、4月3日の会見で日本財団の笹川陽平会長が語ったように、この施設はあくまでも医療崩壊を防ぐことを目的とした「備え」だ。

なお、日本財団が準備したサポートセンターを稼働させるにあたり、そこで勤務することになる医療従事者の給料や、患者の食費は財団が負担する方針を示している。

文・三ツ村崇志

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