7月29日に開催された「オンラインプラットフォームと市場支配力」をテーマとしたアメリカ議会下院司法委員会反トラスト小委員会の公聴会で、ビデオ会議システムを介して証言を行うアマゾンのジェフ・ベゾスCEO。
Graeme Jennings/Pool via REUTERS
- グーグルのサンダー・ピチャイ、アマゾンのジェフ・ベゾス、アップルのティム・クック、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグの各CEOは7月29日、アメリカ議会下院司法委員会反トラスト小委員会の公聴会で質問を受けた。
- マーケティング企業SJRは、4大テック企業のCEOがアメリカ国民からどのような感情を持たれていたのか、29日の公聴会前後で比較分析し、その結果をBusiness Insiderに提供した。
- 調査結果によると、グーグルのピチャイCEOに対する「肯定的感情」は、公聴会前は4CEOのうち最も高かったが、公聴会の後は唯一減少して最低になった。
- 公聴会後の「否定的感情」については、すべてのCEOに対して増加した。
グーグル(Google)のサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)、アマゾン(Amazon)のジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)、アップル(Apple)のティム・クック(Tim Cook)、フェイスブック(Facebook)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)の各CEOは7月29日、ビデオ会議システムを介してアメリカ議会下院司法委員会反トラスト小委員会の公聴会で質問を受けた。
この公聴会は、議会によるデジタルマーケットプレイスの運営と競争についての1年におよぶ調査の後に行われたもので、4社のCEOがそろって証言をするのは初めてのことだ。今回の公聴会は、もう1つのテック界の巨人、マイクロソフト(Microsoft)が質問を受けた1998年の反トラスト法に関する公聴会と似ている。
マーケティング企業のSJRは、ソーシャルリスクアドバイザー企業のエノド・グローバル(ENODO Globa)と連携し、パンデミック中に主要企業のCEOに対するインターネット上の評価がどのようなものであったかを観測してきた。つまり、インターネット上にあるニュースやソーシャルメディアへの投稿を収集し、その中で使われている言葉が、そのCEOに対して肯定的なのか、否定的なのかについて分析してきたのだ。
SJRは、4大テック企業のCEOが人々からどのような感情を持たれていたのか、29日の公聴会前後で比較分析し、その結果をBusiness Insiderに提供した。
これらのCEOに対する「肯定的感情」が、公聴会後に減少したのはグーグルのCEOだけで、他の3企業のCEOに関しては増加した。
下のように、ニュースやソーシャルメディアへの投稿記事の内容が「ほぼ肯定的」だった比率は、グーグルのピチャイCEOについては、公聴会前の51%から公聴会後の39%へと12ポイントも減少した。公聴会で初めて証言をしたアマゾンのベゾスCEOについては、37%から52%へと15ポイント増加した。
各CEOに対する「肯定的な感情」の割合
- サンダー・ピチャイ(アルファベット/グーグル)
公聴会前:51% / 公聴会後:39%
- ジェフ・ベゾス(アマゾン)
公聴会前:37% / 公聴会後:52%
- ティム・クック(アップル)
公聴会前:36% / 公聴会後:40%
- マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック)
公聴会前:28% / 公聴会後:41%
出典:SJR
CEOに対する「否定的感情」は、下のように全員が公聴会後に増加しているが、増加率はさまざまだ。フェイスブックのザッカーバーグCEOについては、公聴会前の51%から公聴会後の53%と2ポイントしか増加していないが、アマゾンのベゾスCEOの場合は、28%から44%へと16ポイントもの増加となった。
各CEOに対する「否定的な感情」の割合
●サンダー・ピチャイ(アルファベット/グーグル)
公聴会前:23% / 公聴会後:50%
●ジェフ・ベゾス(アマゾン)
公聴会前:28% / 公聴会後:44%
●ティム・クック(アップル)
公聴会前:41% / 公聴会後:52%
●マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック)
公聴会前:51% / 公聴会後:53%
出典:SJR
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)