Irene Jiang / Business Insider
- マクドナルド(McDonald's)、スターバックス(Starbucks)、ダンキン(Dunkin')は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で、朝食の売り上げが落ち続けていると話した。それは他の時間帯の売り上げが回復しても変わらないという。
- 「朝食は干上がっている」とパネラ(Panera)のCEOニレン・チャウダリー(Niren Chaudhary)氏はBusiness Insiderに語った。
- 多くの顧客が朝、オフィスに出社しなくなる中、大手チェーン各社は朝食の売り上げが減った分を他の時間帯にフードやドリンクを売ることで埋め合わせしたいと考えている。
アメリカ人は今、1日のうちで最も重要な食事を家で食べている。
マクドナルドやスターバックス、ダンキンといった大手チェーンは7月下旬、新型コロナウイルスのパンデミックで、朝食の売り上げが落ち続けていると報告した。それは他の時間帯の売り上げが回復しても変わらないという。
新型コロナウイルスが流行する前、朝食は成長市場で競争が激化していた。3月には、ウェンディーズ(Wendy's)が朝食メニューを導入し、パネラ(Panera)はコーヒーの"サブスク"で朝食の客を増やそうとしていた。
「朝食…… パンデミックの前は1日のうちで唯一伸びていた時間帯だった」とマクドナルドのCEOクリス・ケンプチンスキー(Chris Kempczinski )氏は決算発表で語った。「その結果、朝食の時間帯に新たな競合が数多く押し寄せた。わたしたちにとって、間違いなくそれはプレッシャーになっていた」という。
ケンプチンスキー氏は、マクドナルドが実はパンデミックの最中に朝食市場におけるシェアを伸ばしたと話した。ただ、朝食を外で取る人がほとんどいないため、同社にとっては最も厳しい時間帯であり、全体の売り上げの足を引っ張っているという。
ダンキンは、今、売り上げが伸びるのは日中だと言う。
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消費者が家で仕事をし、朝の通勤途中でコーヒーを買いに立ち寄らなくなる中、スターバックスとダンキンはいずれも、自社の朝食ビジネスに大きな変化があったと話している。
スターバックスは、客足のピークが午前9時30分と午後2時30分だったと話した。午後のおやつを買いに来る客が増え、それに合わせてスタッフの数も増やしているという。ダンキンでは、売り上げのピークが早朝から日中の午前11時~午後2時に変わったという。
「現時点で、朝食の時間帯にさほど回復は見られない。時間帯という意味では、朝食は干上がっている」とパネラのCEOニレン・チャウダリー氏はBusiness Insiderに語った。
パネラはここ数年、朝食ビジネスの構築に取り組んでいた。2月には、制限なしのコーヒーのサブスクリプション・サービスを立ち上げ、この"サブスク"をさらに売り込もうと6月下旬には無料ドリンクでアピールした。だが、今はもっと後の時間帯にコーヒーを買いに来る人が多くなっていると、チャウダリー氏は話した。最近では、夕食の時間帯の売り上げが爆発的に伸びているという。
「どちらかといえば、朝といっても以前より遅い時間、1日のうちでもこれまでよりもっと遅い時間からコーヒーの消費が始まっているようだ」とチャウダリー氏は語った。
早朝の損失を防ぐため、スターバックスではドリンクの注文と一緒にフードの販売を増やそうとしている。野菜中心の「プロテインボックス」をメニューに加えたのもその一環だ。ダンキンの幹部は、エスプレッソドリンクや抹茶ラテといったスペシャルティードリンクが好調で、家で自分では作れない飲み物を買うために客は来ていると話した。
朝食の売り上げが落ち込んでいるとはいえ、マクドナルドは"ファストフードの朝食の王"という称号を守るつもりだ。
「ここから浮上していく中で、マーケティングと投資の観点からさらなる努力がその一環となることは間違いないだろう」とケンプチンスキー氏は語り、同社がメニューの刷新に取り組んでいることをほのめかした。
[原文:Breakfast sales at fast-food giants like Starbucks and McDonald's 'dried up' during the pandemic]
(翻訳、編集:山口佳美)