ロンドンの商業地区コベント・ガーデンのカフェで過ごす人。近くにはCOVID-19感染防止の掲示があった。
REUTERS/Toby Melville
- イギリスのボリス・ジョンソン首相は、新型コロナウイルス感染者の急増を受けて、自宅待機を要請する可能性がある。
- 同首相は、国内の旅行を制限して、海外からイギリスに入る人には14日間の隔離を求めることを検討中だという。
- イギリス政府は、ジョンソン首相が「核抑止力」と例えた全国的なロックダウンを再び行わずに、新型コロナウイルス感染症の第2波を阻止する方法を模索している。
イギリスのボリス・ジョンソン首相は、新型コロナウイルス感染症の第2波の予防措置として、人々に自宅待機を呼びかけ、国内旅行を禁じ、入国する人に検疫を要請する可能性がある。
イギリス政府は全国的なロックダウンを再び実施せずに、新型コロナウイルスを封じ込める方法を模索している。ロックダウンについてジョンソン首相は、使用を避けたいという意味で「核抑止力」に例えた。
イギリスの新型コロナウイルスの感染者数は先週から再び急増したため、政府はイングランド北部の一部地域で約450万人に移動制限を課し、全国的なロックダウンの解除を延期した。
一方で政府は、感染者が急増した地域あるいは全国に展開可能な「柔軟な」ロックダウンの方法を検討していると、タイムズが報じた。
それには、COVID-19でリスクが大きいと考えられる人々を登録し、それ以外の人々が仕事や買い物、レストランでの食事などに外出する間、自宅待機するように求める「リスク登録(risk register )」が含まれる可能性がある。
登録者は、何百万人もの高齢者、がんなどの重篤な病気に罹患した人、肥満の人などが対象になるだろう。政府は3月に最初のロックダウン規制を実施した際、独自のリストを作成したが、現在は使用を停止している。だが、新しいリストには、さらに多くの高リスクの人々の情報が含まれることになるだろう。
首相官邸の報道官は8月3日、中高年の人々が保護されるべきリストに追加されるという報道は不正確だと述べた。しかし、ロックダウンの際に高齢者に自宅待機を求める可能性を排除することは否定した。
「隔離保護についてはガイダンスが存在するが、現在は国内全域で運用を停止している。しかし、一部地域ではそのような人々を守るため、追加措置が実施されるだろう。我々は常に科学的かつ医学的な進言に基づいて、国民を守るために必要なあらゆる手段を講じていく。だが、我々のアプローチは基本的に地域レベルでのアウトブレイクに対応するための地域レベルでの行動だ」
「将来的な隔離保護の適用を排除するかどうかについては、答えることはできない」と彼は付け加えた。
ロバート・ジェンリック(Robert Jenrick)住宅相は8月1日、政府はリスク登録者の拡大について積極的ではないが、国民は、政府があらゆる選択肢を考慮していることに期待してほしいと、タイムズ・ラジオで語った。
政府が警察によってロックダウンが行われている地域への往来を取り締まる可能性もあると、タイムズは報じている。さらに、他国で感染者が急増した場合、ジョンソン首相はいくつかの国と連携した「旅行回廊(travel corridors)」を廃止し、代わりに他国から入国する人に対して14日の隔離措置を要請すると見られるという。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)