アメリカの外食産業、再び苦境に…4月から6月に見られた急速な回復は終わった


レストランの回復傾向は鈍化

カリフォルニア州マリポサ中心部にある「Little Shop of Ramen」のオーナー、トラヴィス・メドロック(Travis Medlock)。

Genaro Molina/Los Angeles Times via Getty Images

  • 新型コロナウイルスのパンデミックのため、レストランの売り上げは3月に急落したが、4月から6月にかけて順調な回復を見せた。
  • だが、市場調査会社のデータによると、7月の売り上げは鈍化している。
  • 売り上げが再び増加する兆候はあるものの、専門家は「飲食業界の『急速な回復期』は終わった」と述べた。

3月下旬は、アメリカの飲食業界がかつて経験したことのない暗黒の時期だった。

レストランの販売額が3月下旬から4月上旬までの期間で40%以上下落したことが、市場調査会社のNPDグループの最新データでわかった。

全米レストラン協会は、3月下旬までにアメリカのレストランの3%が閉店し、続く30日間でさらに11%が閉店したと思われることを明らかにした。

それでも客足は、ドライブスルーやデリバリー、屋外席、一部の店内での飲食などを通じて4月下旬から5月、6月には戻ってきていた。マクドナルドやスターバックス、ダンキンなどのチェーンは、第2四半期を通じて週を追うごとに売り上げが伸びたという報告を行っている。

だが、7月の結果を見ると、業界の売り上げの回復は一時的なものだったことがわかる。NPDグループによると、レストランの売り上げは、7月20日から7月26日の週に前年比11%減で、数週間連続で横ばいだったのだ。

外食産業向けのサプライチェーン企業、バイヤーズ・エッジのジョン・デイビー(John Davie)CEOは、売り上げが数カ月回復した後、7月は注文が減ったと、Business Insiderに語った。パンデミックが始まって以来の売り上げのピークとなった父の日(6月第3日曜日)の週末以降は、レストランからの食材の注文が約15%落ちたという。

「4月第1週が最低で、そこから6月下旬まで、1週間ごとに5%から8%の増加が見られた」と、デイビーCEOは述べた。

アメリカの一部地域でCOVID-10感染者数が再び増加したことで、店内での飲食サービスが再度停止され、客の間でも警戒感が再燃した。バイヤーズ・エッジでは、フロリダ州やジョージア州などCOVID-19感染者が急増した州で注文の大幅な減少があったとし、飲食業界の売り上げ回復は失速したと見られる。

レストランの予約サイト、オープンテーブルのデータでも、オンラインや電話などでの予約からの来店数は同様の鈍化が見られた。売り上げの回復は、父の日の6月21日がピークで、客数は前年比41%減にとどまった。しかし7月については、50%から72%の減少だ。

レストランの回復傾向は鈍化

専門家によると、週を追うごとに見られた飲食業界の売り上げ回復は終わりに近づいているようだ。

Jason Kempin/Getty Images

急速な回復期は終わった

NPDグループは、マクドナルドの幹部が予測していたように、失業保険の週600ドルの追加給付がなくなったことが、売り上げにさらなる悪影響をもたらす可能性があると警告した。

「今後数週間で、さらにレストランから客が離れる可能性がある」と、NPDの飲食業界アドバイザー、デービッド・ポルタラティン(David Portalatin)はプレスリリースで述べた。

「7月31日まで2500万人から3000万人のアメリカ人が、CARES法の一環でパンデミック失業支援として、失業保険の追加給付を週600ドル受け取っていた」と、 ポルタラティンは続けた。

「これらの失業給付は、1週間に150億ドルから180億ドルのお金が人々の銀行口座に入れられたことを意味しており、飲食業界全体の現在の売り上げは、週に80億ドルをやや下回る程度だ」

バイヤーズ・エッジのデイビーCEOは、客が感染拡大のショックを払拭し、マスクを着用して外食に出かける考えを受け入れたことで、先行きをやや楽観視していると述べた。

バイヤーズ・エッジはここ2週間で売り上げが回復したという。しかし、4月から6月にかけてのような売り上げ急増はもう見られないだろうと、デイビーCEOは語っている。

「我々が目撃したような、急速な回復に近いものがあるとは思わない。より控えめな回復になるだろう」

[原文:Restaurant sales climbed as stay-at-home orders lifted across the US. Now foot traffic has slumped again.

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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