BI Daily Newsletter

医療業界の常識を変える「ウェアラブル端末市場」の現在と成功事例【レポート】

ウェアラブル機器

イメージです。

Shutterstock

  • ユーザーが身につけて健康や運動のデータを計測できるヘルスケア関連のウェアラブル端末には、Fitbitやスマートウォッチなどいくつものタイプがある。
  • 需要増加によりウェアラブル端末市場は活況を呈している。そうしたなか保険会社が被保険者に、また企業が従業員に、端末の活用を促す動きが出ている。
  • この記事はビジネスインサイダー・インテリジェンスのプレミアム・リサーチ・レポート「アメリカの医療業界におけるウェアラブル端末活用(Wearables in US Healthcare)」のプレビュー版。レポート完全版(有料)はこちらから

8割以上が「フィットネス向け端末」に興味

日々の健康管理に便利なウェアラブル端末だが、医療への活用も期待されている。

日々の健康管理に便利なウェアラブル端末だが、医療への活用も期待されている。

Business Insider Intelligence

今やウェアラブル端末は私たちの社会でお馴染みのものとなり、Fitbitなどの活量計やスマートウォッチはすっかりメインストリーム化した。今後、この傾向はますます高まっていくだろう。

自分の健康状態をモニターしたいと願う消費者のニーズに後押しされ、ウェアラブル端末の利用はこの4年で3倍以上も増加した。ビジネスインサイダー・インテリジェンスの調査では対象者の80%以上がフィットネス関連の端末を身につけたいと回答している。

需要増加によりウェアラブル端末市場は活況を呈している。そうしたなか、保険会社や企業もこの技術に着目。被保険者や従業員に端末の活用を促し、利益につなげようしている。

ヘルスケア関連のウェアラブル端末に含まれるのは、ユーザーが身に付け、健康や運動に関するデータを収集できるFitbitやスマートウォッチなどの機器だ。アクセンチュアがアメリカの消費者を対象に行った調査では、ウェアラブル端末の利用は2014年には9%だったのが2018年には33%と急増している。

ヘルスケア分野でのウェアラブル・デバイス

shutterstock_1794439516

Shutterstock

ウェアラブル技術の進歩と健康管理に対する意識向上により、保険会社、医療提供者、IT企業などを含む医療業界において、ますますウェアラブル・デバイスの開発が盛んになっている。これらには、活動量計、スマートウォッチ、生体センサーなどさまざまなタイプが存在する。

フィットネス・トラッカー

Fitbit

Photo Credit: Courtesy of Fitbit® Flex™

非常にシンプルで、ウェアラブル端末の元祖とも言えるのがフィットネス・トラッカーだ。リストバンド型で、センサーによってユーザーの活動量や心拍数を計測する。スマホのアプリと連動し、健康管理やフィットネスのアドバイスを提供してくれる。

ウェアラブル普及の初期に人気を博したFitbit Flexは、スマートなデザインと5つのライトで歩数を示す機能が魅力だった。

スマートウォッチ

かつては歩数を記録できる程度だったスマートウォッチも、今や医療研究に役立つヘルスケア・ツールとして進化を遂げている。アップルは2017年に「Apple Heart Study」というアップルウォッチ向けのアプリを公開。ユーザーの心拍数をモニターし、脳梗塞などにつながる心房細動を検出・通知する試みを行っている(スタンフォード大学と共同研究)。

スマートウォッチ

Drew Angerer/Getty Images

このほか、アップルは最近パーキンソン病の症状をモニターする「Movement Disorder API」を公開し、研究データ収集に一役買っている。

スマートウォッチは、ユーザーが通常スマートフォンで行う「通知確認」「メッセージ送信」「電話」などのアクションに加えて、フィットネス・トラッカーの持つエクササイズや健康情報を管理する機能も備えている。

ウェアラブル心電図モニター

コンシューマー向け電子機器の最先端を走るのが、ウェアラブルの心電図モニターだ。これまでのスマートウォッチにはない、心電図機能が注目を浴びている。Withingsによるウェアラブル心電図モニター「Move ECG」が2019年の「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES:世界最大級の家電・電子機器の見本市)」のウェアラブル端末部門で優勝したことは、ビジネスインサイダーの記事でもレポートした。

「Move ECG」はユーザーの心電図を担当医に送信したり、心房細動を検出できる。そのほかにも、速度・距離・高度計測機能やウォーキング、ランニング、水泳、サイクリングなどに使える自動トラッキング機能もある。

■リサーチストアからレポート完全版をご購入・ダウンロードする。→購入・ダウンロードはこちらから

ウェアラブル血圧計

初のウェアラブル血圧計「Heart Guide」が、オムロン ヘルスケアより2019年に発売された。一見すると通常のスマートウォッチのようなこの製品。オシロメトリック方式の血圧計として使え、歩数、距離、消費カロリーを計測する機能もついている。

Heart Guide本体のメモリーには血圧の測定値が100件まで保存できる。また、全てのデータは専用アプリ「HeartAdvisor」に転送が可能で、過去データを比較したり、治療に役立てたりできる。このアプリを介してユーザーはデータを蓄積したり振り返ったりするだけでなく、担当医と共有もできる。日々の習慣が血圧にどう影響しているのか、把握できるのも特徴だ。

生体センサー

先端的な医療用のウェアラブル・デバイスである生体センサーは、リストバンド型のトラッカーやスマートウォッチとは大きく異なる。フィリップスの「Wearable biosensor」は身体に直接貼り付けるパッチ型で、患者が自由に動き回る間に自動的に活動量、心拍数、呼吸数、体温などを計測する。

オーガスタ大学医療センター(Augusta University Medical Center)の研究によると、このデバイスの装着により予防可能な心拍停止や呼吸停止を89%減らすことができたという。この結果からも、ウェアラブルが病気の治療や医療現場の負担軽減に役立つだろうことが見て取れる。

医療関連のウェアラブル技術の進歩と今後の展開

フィットネス・トラッカーやヘルスケア関連ウェアラブル端末の普及台数推移予想。

フィットネス・トラッカーやヘルスケア関連ウェアラブル端末の普及台数推移予想。

Business Insider Intelligence

ヘルスケア関連のウェアラブル市場は急拡大している。市場の成熟とともに、ウェアラブル端末を活用する消費者や企業は増え続ける見込みだ。ビジネスインサイダー・インテリジェンスの調査によると、アメリカでのフィットネス・トラッカーやヘルスケア関連のウェアラブル端末の利用は年率10%の割合で増加し、2023年には普及台数が1.2億台に上る見込みだ。

こうした時流に乗って、保険会社、医療提供者、企業はますます積極的にウェアラブル端末を活用するようになっていくだろう。

保険会社は、被保険者にウェアラブル端末を着用してもらうことで健康的な生活をおくるように促せる。生活習慣を見直すことで医療機関の受診回数や入院を減らし、増え続ける診療費を抑制できる。ウェアラブル端末のユーザーの75%は、健康管理により気を使うようになったと感じている。

企業も従業員へのウェアラブル端末支給に意義を見出している。ビジネスインサイダー・インテリジェンスの調査では、従業員の健康管理に目配りをしている企業ほど、離職率が低いという結果が出ている。心身の健康維持のための取り組みを5つ以上設けている企業の平均的な離職率は18%で、2つ以下の企業の離職率は29%となっている。

アメリカの消費者を対象とした調査で、ウェアラブル端末の利用はわずか4年間で9%から33%まで急増した。一般化するにつれ、利用率はさらに上がるだろう。デバイスの接続性やセンサーの精度向上とともに、被保険者や従業員の健康維持を利益につなげたい保険会社や企業による活用も増えることが予想される。

医療業界の課題解決にもつながる

アメリカの民間保険会社が被保険者1人当たりに支払う診療費。

アメリカの民間保険会社が被保険者1人当たりに支払う診療費。

Business Insider Intelligence

さまざまな課題を抱えるアメリカの医療業界は、このままでは持ち堪えられないだろう。高齢化や慢性疾患の増加によって医療コストは急増しており、医療機関は患者数の増加に対応しきれていない。

一方で、医療以外の多くの分野でデジタル化が進んだため、サービスの受け手として人々の期待値は上がっている。旧態依然の医療の仕組みをアップデートし、利用者に期待以上のサービスを提供するための方法のひとつが、ウェアラブル技術の活用だ。

ビジネスインサイダー・インテリジェンスによるレポート「アメリカの医療業界におけるウェアラブル端末活用」では、ウェアラブル端末の普及と機能の多様化について概観。医療関係者がさまざまな課題を解決し、医療サービスの価値をさらに高めるため、いかにウェアラブル技術を活用できるかを解説する。

本レポートの完全版では:

ビジネスインサイダー・インテリジェンスによるレポート「アメリカの医療業界におけるウェアラブル端末活用」

ビジネスインサイダー・インテリジェンスによるレポート「アメリカの医療業界におけるウェアラブル端末活用」

Business Insider Intelligence

本レポートの完全版では、アメリカの医療業界におけるウェアラブル端末市場の現在と今後の展望を論じる。さらに保険会社、医療提供者、企業によるウェアラブル端末の活用を後押ししている要因を分析。それぞれのステークホルダーにウェアラブルがどのようなメリットをもたらしているのかを示す。

ステークホルダーごとに成功事例を参照しながら、医療費の抑制、治療の成果向上、健康保険のコスト削減を実現するため、ウェアラブル端末の最適な活用方法を提示する。また、今後ウェアラブル市場が発展するにつれて、新たに生まれるであろうビジネスチャンスについて論じる。

本レポートの完全版を入手するには:

リサーチストアからレポート完全版をご購入・ダウンロードする。→購入・ダウンロードはこちらから

[原文:Latest trends in medical monitoring devices and wearable health technology

(翻訳・野澤朋代、編集・佐藤葉)

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み