オンライン上でどうみられているのかという「オンライン映え」の意識は、男性の方が強い傾向があるという。
撮影:小林優多郎
オンライン上で自分はどう見られているのか? ネット上のアイデンティティをめぐる「美意識」は、女性よりも男性の方が強いのかもしれない ——。そんな傾向を示すアンケート調査が発表された。
SNAPLACEが行ったアンケート(20代~50代の男女100人が回答)では、オンライン会議やオンラインでのイベントの際、自分の映り方を気にしているかについて意識調査。
アンケートの結果、意外にも「オンライン映え」のために最も多く投資していたのは20代男性で、「オンライン飲み会」などのあらゆる場面で、女性と比べて男性の方が、映りを気にしていることが分かった。
就活生「オンライン映えはマスト」
「オンライン映え」のための消費は、年代や男女で差がありそうだ。
出典:スナップレイスのアンケート調査
都内の私立大学3年の男子学生は、「オンライン映え」は就活生にとって、マストだと言い切る。
「オンライン面接では、映り方をものすごく気にしています。暗くて顔がみえないと印象が悪いので、照明用のライトは欠かせません。またマイクはBluetoothでは音質が悪くなるので、あえて有線のイヤホンマイクを使います。
背景に時計などが映り込んでも気が散るので、白い壁の前で面接するようにしています」
前出のアンケートによると「オンライン映えのために何か購入した」と答えたのは、年代・男女別では、20代男性が最も多く5割に上った。
この男子学生のように、20代では就活のために「オンライン映え」を意識する人も多そうだ。
男性の4割以上が「ライト購入」
オンライン映えのために、照明用のライトを購入する人は少なくない。
撮影:吉川慧
アンケートによると「オンライン映え」のために買ったものについては、「照明用ライト」(25%)が最も多く、4人に1人が購入したと回答。
男女の内訳をみると、男性では4割以上が「照明用ライト」を買っていたが、女性では2割弱にとどまり、差が開いた。
編集部の記者の一人は、5月に約2000円の照明用ライトを購入した。
「取材する際に、こちらの顔がよく見えた方が相手に安心感を与えられると思って購入しました。オンラインイベントで話す機会もあるので、顔が暗いのは、相手に失礼かなと。ライトを使うようにしたら、顔が明るく見えると好評です。
『オンライン映え』と言うよりも必要経費だと思っているので、会社に購入費用は補助してもらいたいですね」
男性は「周辺環境の見栄え重視」
出典:スナップレイスのアンケート調査
女性が「オンライン映え」のために購入したもので最も多かったのは「洋服」で約25%。2位は「メイク用品」、3位が「照明用ライト」、4位が「インテリア小物」だった。
一方の男性は、「照明用ライト」に続く2位に「壁紙」、3位に「パソコンスタンド」が続いた。
アンケート調査では「女性は自分自身を美しく映すアイテム、男性は周辺環境をよりよ見せるアイテムを選んでいる傾向がある」としている。
「オンライン飲み会」で意識の差
多くのシーンで、男性の方が「オンライン映え」を意識していることが分かる。
出典:スナップレイスのアンケート調査
「どんな場面で『オンライン映え』消費をしたか」という質問では、男性の意識の高さが際立った。
男性では「オンライン飲み会・お茶会」「授業の受講(学校関係)」がいずれも約6割。「面接」「恋人との会話」が5割と続いた。
一方で女性では、最も多かった「オンライン飲み会・お茶会」でも約35%にとどまった。
なぜ男性の方が、『オンライン映え』にこだわるのだろうか?
40代の会社員は「これまで意識していなかったものの、可視化されたことでビジネス上の必要性を意識するようになったからではないか」と話す。
「『オンライン映え』は打ち合わせの時の印象を左右する貴重な表現力の要素の1つ。少しでもきれいに顔を見せておいた方が良かろうと判断して買いました。
オンラインイベントを見る機会が増えて、カメラが暗い人はイマイチだなと感じることも増えてませんか。
個人的には、テレビのニュース番組で、インフルエンサー出演者のビデオ会議映像を見る機会が増えたのも大きい。例えば、落合陽一さんなどが“照明・カメラにこだわってるな”などと可視化されたことも、影響している気がします」
(文・横山耕太郎)