大戸屋HDに“外食の雄”コロワイドが「敵対的買収」。発端は創業家が売却した19%の株式

「大戸屋ごはん処」と言えば、店内調理の定食スタイルで有名な定食屋のチェーン店。実は今、大戸屋ごはん処を運営する大戸屋ホールディングス(以下、大戸屋HD)が敵対的買収を仕掛けられていることをご存知でしょうか?

敵対的買収を仕掛けているのは、甘太郎、牛角、かっぱ寿司、フレッシュネスバーガー等を傘下に抱える業界4位の外食大手、コロワイドです。

そこで今回は4回にわたり、コロワイドが大戸屋HDに対して仕掛けた敵対的買収について、ファイナンスと会計の視点から考察していきます。

筆頭株主が敵対的買収を仕掛ける

2020年7月9日、外食業界大手のコロワイドは、定食チェーンである大戸屋ホールディングス(以下、大戸屋HD)に対して株式公開買付け(TOB)を実施することを発表しました。

コロワイドと言われてもすぐにピンと来ない人も、居酒屋の「甘太郎」や「北海道」、焼肉チェーンの「牛角」、回転寿司の「かっぱ寿司」、ハンバーガーの「フレッシュネスバーガー」といったお店に一度や二度は足を運んだことがあるのではないでしょうか。

コロワイドはこれら複数の飲食チェーン運営会社を傘下に持つ持株会社で、業界4位(※1)の規模を誇る“外食の雄”です。

図表1

(出所)コロワイド第58期事業報告書より。

コロワイドがこれほど多くの会社を傘下に抱えているのは、過去に17回ものM&Aを通じて企業を飲み込みながら成長してきたためです(図表2)。「持株会社」と聞くと、連載第13回で取り上げたソフトバンクグループを思い出す人もいるかもしれません。コロワイドのM&Aによる成長は、まさに“外食版ソフトバンク”とも言えます。

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