大戸屋HDに敵対的TOBのコロワイド。市場価値に70億円上積みの買付け価格は高い?安い?

大戸屋ホールディングスが、その筆頭株主であり、外食業界4位の規模を誇るコロワイドに敵対的買収を仕掛けられていることが注目を集めています。

前回は、そもそもなぜコロワイドが大戸屋HDの筆頭株主となったのかという経緯と、2020年6月に開催された大戸屋HDの株主総会で、コロワイドによる株主提案が否決されるまでの流れを整理してきました。

提案にNOを突きつけられたコロワイドは、ついに「敵対的買収」というカードを切ることに。そこで今回は、この重大な局面を詳しく解説するとともに、大きな賭けに打って出たコロワイドの狙いについて考えていきます。

コロワイド、ついに敵対的買収へ

前回見てきたように、筆頭株主であるコロワイドの提案が大戸屋ホールディングス(以下、大戸屋HD)の株主総会で否決されたことで、両社の業務提携の可能性は暗礁に乗り上げました。

多くの株主が現経営陣の方針を支持した結果とはいえ、30億円もの金額で創業家などから19%強の株式を取得して大戸屋HDの筆頭株主となったコロワイドとしては納得がいかないのもよく分かります。

そこでコロワイドはついに強硬な手段に出ます。そう、敵対的買収です。敵対的買収とは、取締役会の同意を得ずに会社を買収することを言います

コロワイドが用いた買収手法は「公開買付け(TOB:Take Over Bid)」と呼ばれるものです。日本の金融商品取引法では、株式の買付け後に3分の1を超える株式所有者となる場合等(※1)には、公開買付けを行わなければならない定めになっています(3分の1ルール)。

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