NASAの火星探査機打ち上げから15年…700万枚から厳選した火星の写真を見てみよう

2013年11月19日にNASAの火星偵察機が撮影したのは、劇的で新鮮な衝突クレーターだった。

2013年11月19日にNASAの火星偵察機が撮影した衝突クレーター。

NASA/JPL-Caltech/Univ. of Arizona

  • NASAの探査機、マーズ・リコネッサンス・オービターは、15年前に地球を離れて以来、約700万枚の火星の写真を撮影してきた。
  • 砂塵の嵐から雪崩まで、画像は火星の表面と気象パターンの詳細を明らかにするものだ。
  • ここでは、オービターがこれまでに撮影した中でも最も美しい12枚を紹介しよう。

NASAの火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(Mars Reconnaissance Orbiter)」は2005年8月12日に地球を出発した。探査機は2006年3月10日に赤い惑星を周回し始め、それ以来、火星の温度を計測し、惑星表面の鉱物を検出し、我々に最も近い隣人画像約700万枚を撮影してきた。

この探査機の主な目的は、火星の歴史を通じて水が果たした役割と、水が液体、蒸気、氷としてどの程度存在しているかを科学者が理解できるようにすることだ。

オービターの15周年を記念して、ここではその膨大な写真ポートフォリオの中から12枚を紹介する。


火星には塵の悪魔がたくさんいて、毎日たくさん生まれては消えていく

塵の悪魔

屹立した塵の悪魔は、火星の表面上の蛇のような影を残す。2012年2月16日にHiRISEカメラで撮影。

NASA/JPL-Caltech/Univ. of Arizona

この写真の「ダストデビル」は、火星の地表から185マイル(約300km)上空まで立ち上っている。このような現象は、熱を帯びた塵を大気中に放出し、惑星の気象パターンに影響を与える。


2018年夏、10年に1度の巨大な砂嵐が発生した。砂塵がNASAの探査車「オポチュニティ」の太陽電池パネルを覆い、充電が不可能になった。2018年6月10日以降、ローバーからは通信が途絶えている

オービターに搭載されたMars Color Imager(MARCI)カメラのおかげで、ダストが火星をどのように包み込んだかがわかる。

オービターに搭載されたMars Color Imager(MARCI)カメラのおかげで、ダストが火星をどのように包み込んだかがわかる。

NASA/JPL-Caltech/MSSS

火星での砂嵐のほとんどは、火星の一部分で発生する。しかし、約10年ごとに、地域的な嵐が合体して、地表全体を覆う巨大なものになる。

上のアニメーションは、砂嵐が始まる前の2018年5月の火星(左)と、それが本格的なものになった6月の火星を示している。


オービターは、もともと90日間のミッション用に設計された「オポチュニティ」の旅を記録しました。実際にはその探査車は14年以上の間、火星を探査した

このマップは、2018年6月10日にローバーからの連絡が途絶えた場所を示している。

このマップは、2018年6月10日にローバーからの連絡が途絶えた場所を示している。

NASA/JPL-Caltech/MSSS

この画像は、オポチュニティの着陸地点であるイーグル・クレーターから、最後の連絡があった場所であるパーセベランス・バレーまでの28マイル(約45km)の道のりを示している。


一方、火星探査車「キュリオシティ」はまだ任務遂行中だ。2012年8月に着陸して以来、キュリオシティはゲイル・クレーターを通過し、14マイル(約22km)以上の距離を移動してきた

2019年5月31日から7月20日の間に、キュリオシティが1106フィート(約337メートル)を移動したときの位置を示すアニメーション。

2019年5月31日から7月20日の間に、キュリオシティが1106フィート(約337メートル)を移動したときの位置を示すアニメーション。

NASA/JPL-Caltech/University of Arizona

このアニメーション画像は、ローバーがゲイルクレーター内の山、シャープ山を横切る1106フィート(約337メートル)の旅をする前と後の位置を示している。


火星の表面は、大規模な砂のさざ波や砂丘に覆われている

NASAの火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」に搭載された高解像度画像科学実験(HiRISE)カメラは、2009年2月9日、砂紋や大砂丘を捉えた(見やすくするために青色が追加されている)。

NASAの火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」に搭載された高解像度画像科学実験(HiRISE)カメラは、2009年2月9日、砂紋や大砂丘を捉えた(見やすくするために青色が追加されている)。

NASA/JPL-Caltech/University of Arizona

この写真は、軌道上の探査機から高解像度画像科学実験(HiRISE)カメラで撮影されたもので、大きな砂丘とともに、メガリップル(megaripple)と呼ばれる巨大な砂の波を捉えている。


温暖な天候は、赤い惑星に巨大な雪崩をもたらす。ここに示された2019年の雪崩は、200メートルの崖を落ちていった

2019年5月29日、Hi-RISEカメラは、約500メートルの崖を急降下する雪崩を捉えた。

2019年5月29日、Hi-RISEカメラは、約500メートルの崖を急降下する雪崩を捉えた。

NASA/JPL-Caltech/University of Arizona

火星の春は、暖かい空気が北極の氷の塊を融解し、このような巨大な雪崩を引き起こす。


「脳のしわ」と呼ばれるこの地形が、どのようにしてできたのかは解明されていない

このような地形は、火星の中緯度地域の至るところで見られる。

このような地形は、火星の中緯度地域の至るところで見られる。

NASA/JPL-Caltech/University of Arizona

火星の中緯度地域の至るところに、このような「脳の地形」が見られる。一部の科学者は、これらの土地は氷のコアの上にあり、地下の氷の塊が気化すると、その上の土地の一部が崩壊するのではないかと考えている。


火星の表面は、夏には暗い砂が縞模様を描き、冬にはそれが色あせていく。以前は水の流れがこれらの縞の原因だと考えられていたが、今ではほとんどの科学者が、暗い砂が斜面を滑り落ちることによって引き起こされると考えている

NASAのマーズ・リコネサンス・オービターに搭載されたHiRISEカメラが撮影したこのアニメーションは、季節によって変化する火星の斜面を映し出している。

NASAのマーズ・リコネサンス・オービターに搭載されたHiRISEカメラが撮影したこのアニメーションは、季節によって変化する火星の斜面を映し出している。

NASA/JPL-Caltech/Univ. of Arizona

科学者の中には、塩分を含んだ砂の粒が、暖まると大気中の水蒸気を吸収し、砂の粒が黒ずんで転がり落ちるのではないかと考えている人もいる。この現象はリカレント・スロープ・リニア(Recurring Slope Lineae:繰り返し現れる斜面の筋)と呼ばれている。


赤い惑星の大きな丘陵にはメタンが含まれている可能性がある

火星の暗く多様な表面に散らばった比較的明るい丘。2018年5月15日に撮影。

火星の暗く多様な表面に散らばった比較的明るい丘。2018年5月15日に撮影。

NASA/JPL-Caltech/Univ. of Arizona

これらの大きな丘の中心には、地球上の火山の噴火口に似たクレーターがある。火星にメタンがあるとして、それが地質学的な現象によるものなのか、微生物によるものなのか、あるいはその両方によるものなのかはまだわかっていないため、研究者の関心の高いテーマとなっている。


火星の大気は地球よりもはるかに薄いため、流星を効率的に燃焼させることができない。 その結果、非常に多くの大きな岩の塊が惑星の表面に衝突し、大きなクレーターを作り出す

2013年11月19日にNASAの火星偵察機が撮影したのは、劇的で新鮮な衝突クレーターだった。

2013年11月19日にNASAの火星探査機が撮影したのは、劇的で新鮮な衝突クレーターだった。

NASA/JPL-Caltech/Univ. of Arizona

この写真のクレーターは幅が約100フィート(約30m)ほどだが、その周りにはもっと大きな爆発域(blast zone)がある。


探査機は、火星の2つの月も撮影した。大きい方のフォボスでも直径わずか13マイル(30km)だ

「マーズ・リコネッサンス・オービター」のHiRISEカメラは、2008年3月23日にフォボスの2枚の画像を撮影した。

「マーズ・リコネッサンス・オービター」のHiRISEカメラは、2008年3月23日にフォボスの2枚の写真を撮影した。

NASA/JPL-Caltech/University of Arizona

フォボスが赤い惑星の軌道に取り込まれた小惑星なのか、それとも何百万年も前に火星が割れて月になった火星の一部だったのか、まだ分かっていない。火星のもう一つの月、ダイモスはフォボスよりもさらに小さい。直径は9マイル(14km)だ。


探査機のカメラは時折、地球の方を向くことがある

この火星から見た地球と月の画像は、2016年11月20日に探査機のHiRISEカメラが撮影した4組の写真から、最高の地球と最高の月を合成したものだ。

この火星から見た地球と月の画像は、2016年11月20日に探査機のHiRISEカメラが撮影した4組の写真から、最高の地球と最高の月を合成したものだ。

NASA/JPL-Caltech/Univ. of Arizona

この合成写真は、火星が地球から約1億2700万マイル(約2億km)の距離にあったときに撮影された。月を明るくして、より明るい我々の母なる星の隣に置いている。

[原文:Towering dust devils, ancient dunes, and avalanches: 12 stunning images from NASA's Mars orbiter on its 15th anniversary

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み