伊藤詩織さん、衆院議員の杉田水脈氏、Daisy大澤昇平社長を提訴。「いいね」押した責任問う

伊藤詩織さん

杉田水脈氏・大澤昇平氏に対して名誉毀損の訴えを起こしたジャーナリストの伊藤詩織さん。

撮影:鈴木愛子

ジャーナリストの伊藤詩織さんは8月20日、衆議院議員の杉田水脈氏と元東京大学特任准教授でAIベンチャーDaisy社長の大澤昇平氏を相手取り、Twitter上で名誉を毀損されたとして、それぞれ約220万円(杉田氏)、約110万円(大澤氏)の損害賠償を求め東京地方裁判所に提訴した。大澤氏に対しては、投稿の削除も請求する。

伊藤さんは6月、イラストレーターのはすみとしこ氏らに対しても同様に、SNS上で受けた誹謗中傷への損害賠償を求めて提訴している。

Twitter上の「いいね」の責任問う

杉田氏に対する訴訟のポイントは、Twitter上で2018年6月から7月にかけて投稿された「枕営業の失敗」「彼女がハニートラップを仕掛け(た)」「被害者ぶるのもいい加減にしてください」などの匿名の誹謗中傷に対して、杉田氏がいいねを押したというもの。

「彼女がハニートラップを仕掛けて、結果が伴わなかったから被害者として考え変えて、そこにマスコミがつけ込んだ!」(杉田氏が「いいね」を押したツイートの一例)

訴状によると、「原告(伊藤さん)を激しく中傷するおびただしいツイートに対して被告(杉田氏)が『いいね』を押してこれを煽っている様は、原告に恐怖心さえ抱かせる」という。

一方の大澤氏は、伊藤さんがはすみとしこ氏を訴えたことに関して、6月10日から24日にかけて投稿された複数のツイートが訴訟の対象だ。

「具合悪そうだから介抱したのに急に『レイプされた』とかファビョり出して社会的地位を落としにかかってくるのトラップ過ぎるし、男にとって敵でしかないわ」

「伊藤詩織って偽名じゃねーか!」

大澤氏は2019年11月、自身のTwitter上に「中国人は採用しません」などと投稿し、差別的だとして批判が殺到。2020年1月、東京大学大学院情報学環・学際情報学府は大澤氏に対して懲戒解雇処分を下したと発表した。

一連の誹謗中傷は、伊藤さんが元TBSワシントン支局長・山口敬之氏から性的暴行を受けたと告発したことがきっかけとなっている。伊藤さんは山口氏を相手取り、東京地裁で起こした損害賠償請求訴訟で2019年12月、勝訴した。

このタイミングでの訴訟について、伊藤さんの広報担当者はBusiness Insider Japanの取材に対して以下のように回答した。

「本来、はすみ氏と杉田氏の提訴は同じタイミングでと考えていたが、準備の関係でこの日程になった。杉田氏の訴訟の準備をしている時に、大澤氏のツイートが投稿されたため、同時の提訴となった」

6月のはすみ氏らへの提訴に関しては、評論家の荻上チキさんを中心としたチームが、Twitterやヤフーコメント、YouTube動画やそのコメントなど約70万件をチェック。伊藤さんに対する誹謗中傷を分析し、対象者を絞り込んだ。

その調査を通じて、杉田氏が伊藤さんを誹謗中傷するツイートに「いいね」を繰り返し押していたことが明らかになった。伊藤さんは6月の提訴前にBusiness Insider Japanの取材に対し、こう語っている。

「シェアしたり、いいね!することも誹謗中傷に加担していることになる、その責任はあるのだと、示したいのです」

今後もSNS上の誹謗中傷に対して訴訟を予定しており、「特に、ヤフーコメントやまとめサイトなどの誹謗中傷に対してアクションを取っていきたい」(広報担当者)という。

(文・西山里緒

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み