先行きが不安…… アメリカで催涙スプレーの売り上げが急増している

催涙スプレー

メース・セキュリティによると、催涙スプレーの売り上げが急増している。写真はセイバー社製の催涙スプレー製品。

Áine Cain / Business Insider

  • アメリカでは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)や11月の大統領選に対する恐れや不安の高まりとともに、催涙スプレーの売り上げが急増している。
  • メース・セキュリティ・インターナショナル(Mace Security International)のCEOゲイリー・メドベジ(Gary Medved)氏は、消費者は先行きの不透明さから「備えて」おこうとしていると、USAトゥデイに語った。
  • メース・セキュリティは7月、新型コロナウイルスの影響で物流面に支障があったにもかかわらず、第2四半期の純売上高が前の年の同じ時期に比べて16%増えたと報告した。

新型コロナウイルスのパンデミックや11月の大統領選に対する恐れや不安の高まりとともに、アメリカでは催涙スプレーを求める消費者が増えている。

オハイオ州クリーブランドを拠点に防犯グッズなどを手掛けるメース・セキュリティ・インターナショナルのCEOゲイリー・メドベジ氏は、催涙スプレー製品への需要が大幅に伸びていることから、同社の工場では新たに第3のシフトの導入を検討していると、USAトゥデイに語った。メドベジ氏は、大統領選とパンデミックをめぐる「先行きの不透明さ」を催涙スプレーの奪い合いの2つの主な要因に挙げた。

「ここ数カ月で、人々は"備えて"おかなければと考えるようになった」とメドベジ氏は語った。

今夏、新型コロナウイルスのパンデミックや、警官によるジョージ・フロイドさんを含む黒人の死亡事件による社会的混乱をきっかけに、アメリカでは催涙スプレーの売り上げが急増していて、メース・セキュリティも売り上げを大きく伸ばした。

催涙スプレーは、社会が混乱している時によく売れる傾向がある。2016年1月、Cleveland.comは「先行きの不透明さや凶悪犯罪に対する国際的な懸念が高まった」ことが、メース・セキュリティの売り上げを増加させたと報じた。

AP通信によると、2020年の春はロックダウン(都市封鎖)の影響で全国的に犯罪率が低下した。だが、新型コロナウイルスで17万7000人以上のアメリカ人が死亡したことで、恐怖に駆られた消費者のメンタリティーは新たな次元に達した。 

メース・セキュリティの2020年第2四半期の純売上高は、前の年の同じ時期に比べて16%増えた。その要因の1つに、同社は「小売りとeコマース、両方のセグメントで新たな顧客を獲得した」ことを挙げている。2020年に入ってからの売り上げも、新型コロナウイルスの影響で物流に支障があったにもかかわらず、9.6%増えた。

「我々のブランドサイトと、オンライン・マーケットプレイスの間で、第2四半期のデジタルの売り上げの総額は3桁のパーセンテージで増えた。既存の顧客に加え、新規の顧客が大幅に増加したことがその要因だ」と、メドベジ氏はプレスリリースで述べた。

[原文:Fears over the coronavirus pandemic and 2020 presidential election are driving a demand for pepper spray

(翻訳:仲田文子、編集:山口佳美)

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