減少するFacebookの利用時間。Fb広告をめぐる4つの環境と活路は?【eMarketerレポート】

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2019年に拡大したFacebookに対する当局の調査は、2020年になってペースを落としている。プライバシー問題などに関する同社への集中砲火は束の間鎮静化しているが、このまま追求や批判が収まるとは考えられない。

個人情報の取り扱いに関するユーザーの懸念を反映して、Facebookの利用時間は減少しており、今後さらに新たな問題が浮上する可能性もある。eMarketerによる調査レポート「アメリカにおける2020年のソーシャル・トレンド(US Social Trends for 2020)」では、Facebookが直面するさまざまな課題や、2020年度におけるFacebook広告を巡る環境について論じる。

Facebook広告を巡る4つの環境

Facebook CEO マーク・ザッカーバーグ

Facebook CEO マーク・ザッカーバーグ

Alex Brandon/Reuters

1. Facebookでの動画広告は伸びが予想される

同社への批判の高まりや、同様の機能を持つ新たなアプリの登場により、Facebookの利用時間は伸び悩んでおり、2016年以降は1日当たり40分前後で推移している。マーケターはユーザーの利用状況に注意を払い、広告戦略を調整する必要があるかもしれない。

ユーザーの支持に陰りが見えるものの、広告主は依然としてFacebookでの動画広告に効果を見いだしているようだ。ここから、このプラットフォームが完全に求心力を失っていないことや、オーディエンスの関心を集めるために動画が有効だということが分かる。

しかし、動画サービスの「Facebook Watch」や「ストーリーズ」は、あまり見られていない。広告を表示する場所として最も人気があるのは「ニュースフィード」で、プレースメント上位5位に支払われた広告費のうち、62.3%を占めている。

「ニュースフィード」に表示されるフェイクニュースなどの有害コンテンツによって同社が批判を浴びていることを考えると、皮肉な結果と言える。

2. Facebookの利用時間は、これまでになく減少する

「Facebook Watch」に対する関心の低さは、ユーザーがFacebook上で過ごす時間が短くなっていることを反映している。アメリカでの成人ユーザーの1日当たりの平均利用時間は2016年には40分だったのが、2020年には33分となる予想だ。

18〜24歳のユーザーが減っていることの影響も当然あるが、それより上の年代の利用も伸びておらず、若年層の減少分をカバーしきれていないことも問題だ。

このようにプラットフォームとしてのFacebookは多くの課題を抱えているものの、CEOのマーク・ザッカーバーグは、傘下に置く他のサービスに期待をかけている。Facebookを離脱したユーザーがそのままインスタグラムに移行してくれれば、企業としては利益を確保し続けられる。

3. 今年の「解体」はないが、Facebookに対する調査は続く

プライバシーや反トラスト法の問題に関して、議会や連邦取引委員会(FTC)、そして司法省は徹底調査を表明している。しかし、Facebookの解体に向けた規制を設けるには何年もかかるだろうし、当局もさして急いでいるようには見えない。

Facebookによる自社アプリと傘下アプリの統合を止めようと、FTCは仮差し止め命令を裁判所に求めている。しかし、たとえこれが通ったとしても、巨大化したFacebookの分割を実現にするにはほんの一歩にすぎない。

今後の法的手続きで、いつ頃どのような決定がなされるのか現時点では読めない。そんななか、アメリカの成人インターネット・ユーザーのうち「個人情報の取り扱いについてFacebookを信頼している」のはたった19%という調査結果もあり、今後、また新たにプライバシー関連の問題が明るみに出る可能性もある。

4. 「政治広告は利益を生む」が、同時にトラブルの原因ともなる

eMarketerによる調査レポート「アメリカにおける2020年のソーシャル・トレンド」

eMarketerによる調査レポート「アメリカにおける2020年のソーシャル・トレンド」

Business Insider Intelligence

2020年のアメリカ大統領選挙を巡っても、プライバシーに関する懸念がある。こうした課題を指摘する声は与野党双方からあがっているものの、企業のユーザーデータ利用に関する規制方法については意見が一致していない。

候補者たちは有権者にアピールするため、デジタル技術とプライバシーに関する問題について熱心に持論を展開するかもしれないが、同時にソーシャルメディアでの政治広告に資金を投じ続けるだろう。つまりは、一刻も早く問題を解決しようとは考えていないということだ。

Twitterは政治広告を全面的に禁止し、グーグルも政治広告のターゲット絞り込み機能を制限するとした。だが、Facebookはこうした規制を設けておらず、偏見に満ちていたり虚偽的な政治広告が横行すると批判を呼んでいる。

同社への批判が方々から上がる一方で、より大きな問題を指摘する声もある。そもそも選挙運動に関するアメリカの法律が時代遅れで、大幅な改正が必要だと言うものだ。

事実、全てのソーシャルメディア・プラットフォームが政治広告を禁止したとしても、オーガニック投稿で政治的なメッセージを拡散することは止められないのが現実だ。

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[原文:Analyzing Facebook user growth and usage patterns in 2020

(翻訳・野澤朋代、編集・佐藤葉)

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