グーグルのプロダクト開発の舞台裏。品質を陰で支えるチームは「20%ルール」から生まれた

グーグルは2020年初め、製品のインクルージョン(受容性)とダイバーシティ(多様性)に寄与する社員が、社内全体で2000人以上にのぼると発表した。

「インクルージョンサポーター」によって構成されるこのチームは、製品の設計段階で性別、年齢、人種、障がいといったことを考慮するためにつくられたものだ。

だがそもそもの成り立ちは、一時あらゆるところで話題になったグーグルの「20%ルール」に端を発している。20%ルールとは、社員が勤務時間の20%を通常業務以外のことに費やしてよい、というものだ。

グーグルの社員

「20%ルール」はグーグルという組織を特徴づける要素のひとつだ。

Michael Short / Getty Images

プロダクトインクルージョンチームを統括するアニー・ジーン・バプティステは、このチームがつくられた経緯を著書『Building For Everyone』の中で明かしている。

どうすれば製品開発プロセスに「インクルージョン」という視点をもっと取り込めるだろうか——バプティステの著書には、集まったグーグラー(グーグル社員)たちの検討プロセスが記されている。

「ダイバーシティやインクルージョンといったテーマは面白い20%プロジェクトになると、私を含む何人かの社員は考えた。当時、ダイバーシティやインクルージョンと言えばたいてい文化的な話題や占める割合についての議論ばかりで、製品やビジネスの文脈で議論されることはなかった」

だが、事態が大きく変わる瞬間が訪れた。ピーター・シャーマンというエンジニアが、バプティステのチームに連絡してきたのだ。

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