【入山章栄】「AIに奪われる仕事」とは“知の深化”。人間は“知の探索”にこそ時間を割くべき

経営理論でイシューを語ろう

企業やビジネスパーソンが抱える課題の論点を、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にして整理する。不確実性高まる今の時代、「正解がない」中でも意思決定するための拠りどころとなる「思考の軸」を、あなたも一緒に磨いてみませんか?

参考図書は入山先生のベストセラー『世界標準の経営理論』。ただしこの本を手にしなくても、本連載は気軽に読めるようになっています。

過去3回にわたってお届けしてきた入山先生のオンライン読書会の模様は、今回でいよいよ完結。テクノロジーが飛躍的に進化した今、ビジネスにおける私たち人間の役割とは? 「仕事」の意味とは? いよいよビッグイシューに切り込みます。

デジタル空間でも共感を得られる人は強い

入山章栄先生(以下、入山):さて、大いに盛り上がっている読書会メンバーとのディスカッションですが、次はどのテーマを取り上げましょうか。Yさんはコンサルタントでいらっしゃいますが、最近はどんなことに関心がありますか?

Yさん(以下、Y):僕の関心事は、いまや経営戦略というものが現場で生まれるものになっている、ということです。

Yさんの声

Y:そうなってくると経営者の役割は、人を生み出すとか、トランザクティブメモリー(自分がすべてを知っている必要はなく、誰が何を知っているかを知っていることが重要という経営学の考え方)のような、人と人とをつなげる媒介者になることではないかと思います。

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