オランダ原産種を改良したテクセル種の羊。高値で取引されることも珍しくはない。
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- スコットランドで開催された羊の競売で、ダブル・ダイアモンドと名付けられた子羊が約5200万円で落札され、世界一高価な羊となった。
- ダブル・ダイアモンドはテクセル種の子羊で、テクセル羊協会によると、テクセル種は1万ポンド以上で取り引きされることも珍しくないという。
- 落札したのは共同所有者となる3人の農家で、繁殖させてリターンに期待するという。
- 「ダブル・ダイアモンドは遺伝学に裏打ちされた、ずば抜けた存在だ」と購入者の1人であるジェフ・アイケンさんはガーディアンに語った。
オークションで1頭の羊におよそ5000万円という高値が付き、世界で最も高価な羊が誕生した。
これはダブル・ダイアモンドと名付けられたテクセル種の羊で、テクセル羊協会(Texel Sheep Society)によると、この品種が1万ポンド(約140万円)以上で取り引きされるのは珍しくないという。テクセル種はオランダのテセル島を起源としており、筋肉質の体つきで、脂肪の少ない高品質の肉を生産する。
生後6カ月のダブル・ダイアモンドは、スコットランド、グラスゴー近郊のラナークで8月27日に開催された競売で、激しい入札合戦の後に落札された。
入札開始価格は1万500ポンド(約150万円)だったが、すぐに跳ね上がり、落札価格は36万7500ポンド(約5200万円)となった。ダブル・ダイアモンドの出品者はブリーダーのチャーリー・ボーデン(Charlie Boden)さんで、この羊を繁殖させたいという3人の農家が共同で落札した。
テクセル種は筋肉質で肉質がよいとされる。
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今回の落札価格は、これまでの記録を大きく塗り替えた。2009年には、同じテクセル種のデバロンベール・パーフェクションという愛称の羊が、23万1000ポンド(約3260万円)で落札されている。
共同購入者の1人、ジェフ・アイケン(Jeff Aiken)さんは、競売の前からダブル・ダイアモンドに目を付けていたと、ガーディアンに語った。
「今回の競売は本当に特別なものになるだろうと思っていた。ダブル・ダイアモンドは最高の遺伝学に裏打ちされた最高の存在だ。我々の他にも7、8人ほど、非常に欲しがっている人がいたので価格が吊り上がったんだ」
アイケンさんはイングランドのランカシャーで、妻のジェンさんと一緒にテクセル種を繁殖させている。彼は羊にこれだけの高値が付くことは滅多にないと述べた。
「誤解しないでほしい。今回の落札価格は、羊1頭に対してはとんでもない価格だが、このことが畜産農家への批判につながってはいけない」とアイケンさんはガーディアンに語った。
アイケンさんにコメントを求めたが、回答は得られていない。
[原文:The world's most expensive sheep was sold in Scotland for almost half a million dollars]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)