アマゾンは2013年からドローン配達の実用化に取り組んできた。
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- アメリカ連邦航空局(FAA)は、アマゾンがドローン配達サービスを開始することを許可した。
- アマゾンはプライムエア・ドローン・プロジェクトに2013年から取り組んでいる。
- 2019年6月には、アメリカでドローンの試験を行うための許可を得た。
- 「プライムエアは、自律型無人航空システムを用い、安全で効果的に顧客へ荷物を届けるものだ」とFAAの報道官は声明で述べた。
アメリカ連邦航空局(FAA)は、アマゾン(Amazon)がドローン配達サービス「プライムエア(Prime Air)」の開始を許可した。
FAAの報道官は、アマゾンのプライムエアに対し、8月29日に「Part 135航空運送業者認証」を発行したとBusiness Insiderに語った。この認証により、アマゾンは無人航空システム(UAS)の商用利用ができるようになった。
「プライムエアは、自律型UASを用い、安全で効果的に顧客へ荷物を届けることをコンセプトとしている」とFAAの報道官は声明で述べた。
「FAAの役割は、どのようなUASでも安全に稼働させることだ。特に健康や気候に関連する危機の際には、公益につながる技術革新を支援する」
認証を得たことで、アマゾンは2013年以来取り組んできた商用ドローンによる配達サービスを開始できるようになった。2019年6月には、アメリカでドローンの試験を行うための許可をFAAから得ている。FAAの規定によると「Part 135航空運送業者認証を取得しなければ、オペレーターの視界が届かないところで小型ドローンを用いた商用配達サービスは行えない」としている。
Courtesy of Amazon
アマゾン・プライムエアを統括するバイスプレジデントのデイビッド・カーボン(David Carbon)は、「この認証はプライムエアにとって重要なステップであり、将来的に世界中の顧客へ荷物を配達することになるアマゾンの自律型ドローン配達サービスの安全性に、FAAが信頼を寄せていることを示すものだ」と声明で述べた。
「今後とも、配達用ドローンについての技術開発と改良を続け、『30分以内の配達』という我々の目標を実現するために、FAAや世界各地の規制当局と緊密に協力していく」
アマゾンのドローンは、衝突を避けるための検知・回避(sense-and-avoid)システムを搭載し、これまで数千時間におよぶ飛行をこなしてきた。しかし、認証を取得したとはいえ、アマゾンが実際に配達を始めるのはまだ先のことであり、それがいつ頃になるのかは、まだ発表されていない。
ドローンでの配達に取り組んでいるのは、アマゾンだけではない。ローカルのスーパーマーケットチェーン、Rouses Marketsは7月、ラストワンマイル(物流の最後の区間)・ドローン配送のスタートアップ、デュース・ドローン(Deuce Drone)と提携し、アラバマ州でテスト飛行を行った。また、グーグルの親会社であるアルファベット(Alphabet)傘下のWing Aviationやアメリカ郵便公社(UPS)傘下のFlight ForwardもPart 135航空運送業者認証を取得している。
[原文:FAA clears Amazon's fleet of Prime Air drones for liftoff]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)