防災「備えるを、楽しもう」Jリーグ東海6チーム連携で意識を変える

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ソナエル東海はJリーグ東海6チームが結束した防災プロジェクトだ。

出典:2020年9月1日のオンライン会見より。

「防災の日」である9月1日、Jリーグの東海地方にある6チームが、共同で防災プロジェクト「ソナエル東海」を発足させた。災害に対して「備えるを、楽しもう」というコンセプトのもと、人々の防災意識を高め、具体的な行動喚起を促す狙いがある。プロジェクトのLINE公式アカウントも同日始まった。

ソナエル東海は、清水エスパルス、ジュビロ磐田、藤枝MYFC、アスルクラロ沼津、名古屋グランパス、FC岐阜とJ1(1部リーグ)からJ3(3部)の6チームが、一つとなった防災プロジェクト。

「南海トラフ地震」に備えるためにも

東海地方では、南海トラフ地震における今後30年以内の発生確率が「70から80%」(気象庁地震火山部、2020年8月7日時点)と言われている。日本各地でも、集中豪雨による災害などで多大なる被害が出ている。だからこそ、災害に対して普段からの備えが大切となる。

そこで、Jリーグ6チームおのおのが、意識を高めてもらう活動を進めるというのがこのプロジェクトだ。

ただ、単独で行うのではなく、ソナエル東海として6チームが結束することで、活動がより大きな広がりを持って、認知してもらえ、防災意識を高めるきっかけになる。

ソナエル東海の公式LINEアカウントを通じて、防災知識の提供、6チームおのおのが行う防災活動などの情報を発信していく。さらには、災害発生時の正確な情報発信もしていく。

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9月1日、オンライン会見で「ソナエル東海」について説明するJリーグの村井満チェアマン。

出典:2020年9月1日のオンライン会見より。

オンライン会見に出席したJリーグの村井満チェアマンは、台風9号の九州接近に伴って、2日開催予定だったJ3リーグの鹿児島ユナイテッドFC対いわてグルージャ盛岡を3日に順延する判断したところ。このプロジェクトの大切さを訴えた。

「令和2年7月に起こった熊本集中豪雨の時や、先日も落雷降雨で試合中止をした。あらためて、スポーツは平穏で、何にもない安寧な日々で始めて享受できるもの。(ソナエル東海は)とても意義ある活動。防災に対する認識を高めあい、皆さんと協力して知見を共有できる」

どうやって「備えるを、楽しもう」とできるのか。

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清水エスパルスは防災グッズの販売を9月1日から始めた。

出典:清水エスパルスのオンラインショップより。

清水エスパルスでは、現役やOB選手が、静岡市が実施している市民向けの防災出前講座に参加する。また、チームロゴの入った防災リュックの販売、オンラインショップでは備蓄品や防災グッズも販売しはじめた。

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清水エスパルスのロゴが入ったオリジナル防災リュック。

提供:清水エスパルス。

地域事業本部教育事業部の杉田壮氏は「自分たちだけは大丈夫、そのうちでいいかな、という考えは捨てて、今からでも備えることを始めてほしい。どうせやるなら、楽しい方がいいですし、その方が(備えることが)好きになり続いていく」と話す。

名古屋グランパスも防災グッズの販売したり、名古屋市消防局や名古屋市消防団連合会、株式会社HITONOWAと連携して、防災を楽しく学ぶ活動を行う。

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名古屋グランパスが行う防災訓練活動。

ⒸN.G.E.

他4チームも防災へのさまざまな取り組みを行う。

ソナエル東海の活動にNPO法人や企業が連携

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特定非営利活動法人「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」の栗田暢之代表理事。

出典:2020年9月1日のオンライン会見より。

今回のプロジェクトには、特定非営利活動法人「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」や一般社団法人「FUKKO DESIGN」や民間企業「HITONOWA」と「よんなな防災会」と連携して進めている。

ソナエル東海のLINE公式アカウントは、通常は6チームの防災活動の紹介や防災知識の発信を行うが、災害発生時にJVOADが管理して、情報発信を行う。

「正確情報を届けたい人になかなか届けられない」という災害時の課題に対し、知見を持つJVOADが協力する。栗田暢之代表理事は、事例を交えて説明した。

「熊本では(2016年の)地震以降、(ボランティア団体など)支援者がお互いの情報を持ち合って共有する情報共有会というのをやっている。7月の集中豪雨でも実際に行われ、約130団体が参加した。そこでさまざまな生の情報が出てくる。

(JVOADの今回のプロジェクトでは)それをそのまま出すのではなく、情報をもとに、今必要な物は何なのか、現地の情報に基づいて発信していく」

ソナエル東海を支えるJリーグの「シャレン」

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2月7日に行われたJリーグのビジネスカンファレンスで、大きく紹介されていたのが「シャレン」だった。

出典:2020年2月7日にあった、Jリーグのビジネスカンファレンスより。

ソナエル東海は、Jリーグが推し進める、各チームと地域社会との連携活動「シャレン」の一環にもなる。

Jリーグ、各地域のチームの知名度を活用してもらい、ハブ機能として自治体、団体、企業などを結びつける役割を果たし、その地域にある社会課題の解決に一緒になって取り組む。

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Jリーグは地域の社会課題の解決にも取り組む。

出典:2020年2月7日にあった、Jリーグのビジネスカンファレンスより。

シャレンの持つ役割について、村井チェアマンは「Jリーグとして、人的ネットワークの紹介を行ったり、知見やノウハウをフィードバックすることで、社会連携活動をバックアップする。それが活動をより動かす一助となる」とし、今回の複数チームによるシャレンは「日頃はチーム同士戦うライバルだが、社会課題を解決するために横で連携したり、そのネットワークそのものの発信力が大きな威力を発揮する」と意義があるとした。

(文・大塚淳史)

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