台風10号が「特別警報級」へ発達懸念……週末にかけ西日本に上陸へ 「週末前に備えを」と気象庁

台風

台風10号「ハイシェン」の進路図。予報円(白い円)は70%の確率で台風の中心が入る範囲をあらわしており、台風の大きさの変化を意味しているわけではない。

出典:気象庁

気象庁は9月2日、太平洋マリアナ諸島付近に台風10号「ハイシェン」の発生を確認した。現在、西に向かって時速15キロメートルで移動している。

9月2日13時05分の段階で、台風10号の中心気圧は990hPa、瞬間最大風速は秒速35メートルを記録。

気象庁によると、この台風は今後、特別警報級となる勢力(中心気圧が930hPa以下、最大風速50m/s以上)へと発達し、9月6日から7日にかけて奄美地方から西日本に接近・上陸する懸念があるという。

また、仮に台風が上陸しなかったとしても、その周囲では広い範囲に暴風や大雨の危険が及ぶことが想像されることから、気象庁は、

「台風が接近する地域では、記録的な大雨・暴風・高波・高潮となるおそれがあり、最大級の警戒が必要です。週末を迎える前に台風への備えを終わらせるようお願いいたします」

と注意を促している。

具体的に、どんな備えをすればよいのか、気象庁予報部予報課の担当者は

「家の補強、たとえば植木鉢の固定や雨戸の補強など、暴風の影響を受けそうなものを確認して欲しい。高潮や高波については、ハザードマップなどの確認をしてください。大雨についても、洪水や土砂崩れの危険がないかどうかを確認し、仮に住居がリスクの高い場所にあるのなら、避難場所まで確認しておいていただきたい」

と、事前の備えについて話す。

気象庁のホームページでは、2時間先までの雨量予測などをもとに土砂災害の危険度を示すサービスなども提供している。地域のハザードマップなどと合わせて参考にして欲しい。

風が強まる前にとるべき災害対策

台風時に飛びそうな住宅の設備

風が強くなる前に、対策を進めよう。

出典:気象庁

災害への備えは、いざその時になってから考えようとしても、ホームページが混雑して見にくくなったり、焦って確認が漏れてしまうことが多い。また、暴風が吹き始めてからの外出には、その分命に危険が及ぶリスクもある。

そのため、風雨が強まる前の早めのタイミングで対応することが重要となる。

また、今年は避難時に新型コロナウイルスに対しても注意を払わなければならない。

自宅に防災グッズを持っている人は多いかも知れないが、一般的な災害対策用グッズに加えて、「手指消毒用のアルコール」や「使い捨てマスク」など、避難所でも使えるコロナ対策グッズをある程度備えておいても良さそうだ。

なお、気象庁の基準では、台風を原因とした特別警報は、930hPa以下、最大風速秒速50メートル以上になる恐れがあるものを対象としている(※)。これは、「伊勢湾台風」が指標となっている。

伊勢湾台風:1959年9月26日に和歌山県潮岬の西に上陸し、死者・行方不明者数合わせて5098人にも及ぶ被害を出した

実際に今後どの程度まで勢力が拡大するか、今後の気象庁の報道発表を注視し、早めに備えたいところだ。

※沖縄地方、奄美地方及び小笠原諸島は中心気圧910hPa以下、最大風速秒速60メートル以上

東日本太平洋側でも高波に注意

shutterstock_1199906044

堤防に打ち付ける荒波。2018年、伊勢湾にて撮影。

Shutterstock

台風10号の影響は西日本が中心。すでに台風9号の影響で大雨や洪水などに対する警戒が高まっている九州地方では、引き続き注意が必要となる。

気象庁によると、大東島地方では台風の接近により、4日から6日にかけて警報級の高波が発生。風が次第に強まり、5日から6日にかけて暴風などの大荒れの天気となる可能性があるとしている。

南西諸島から西日本では、5日から7日にかけて警報級の高波が発生、6日から7日にかけて暴風や警報級の大雨など、大荒れとなることが予想されている。

東日本太平洋側の広い範囲でも、5日から7日にかけて警報級の高波となる恐れがあることから、関東圏でも海沿いの地域にお住まいの方は、ある程度警戒しておいた方が良いだろう。

文・三ツ村崇志

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み