バフェットが「日本は買い」と判断した6つの理由…5大商社株に7300億円を投資

ウォーレン・バフェット

ウォーレン・バフェット。

AP Images

  • ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが、日本の商社5社の株式の5%を保有していることを発表した。
  • バークシャーが保有する、伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事の5社の株式は、9月2日の終値で7300億円以上の価値があった。
  • バフェットは、株価の割安感と事業規模の大きさに惹かれ、インフレリスクやドル安に対するヘッジとして投資した可能性が高い。
  • バフェットが投資した理由として考えられるのは以下の6点だ。

投資の神様と言われるウォーレン・バフェット(Warren Buffett)が率いる投資会社バークシャーハサウェイ(Berkshire Hathaway)が、日本5大商社、つまり伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事のそれぞれの株式の5%を所有していることを明らかにした。 バークシャーが過去12カ月間に構築したポジションは、9月2日の終値で合計して7300億円以上の価値があった

バフェットが投資したのは、マクロ経済環境に加えて、株価の割安感、広範な事業内容が理由ではないかと見られている。

バフェットが日本の5大商社にベットする理由として考えられるのは、以下の6つだ。


1.割安である

バフェットは、市場で過小評価されているビジネスを特定して投資することで有名だ。日本の5つの商社のうち、4つは簿価に対して大幅な割安な株価、つまり、株式の時価総額が純資産よりも低かった。

彼は自国でバリュー株を発掘するのに苦労したので、日本に向かったかもしれない。アメリカ政府と連邦準備制度理事会(FRB)による前例のない介入のおかげで、バフェットが日本株の購入し始めた2019年の今頃は、米国株は割安ではなく、記録的な速さでコロナウイルスショックから立ち直っていた。

ダルトン・インベストメンツのジェイミー・ローゼンウォルド(Jamie Rosenwald)はロイター通信に対し、バフェットは日本企業に「笑えるほどに安い」価格で投資し、この島国で提供される「途方もない」価値を得たと語った


2. リスクが小さい

バフェットは外国に投資しているかもしれませんが、5つの商社の事業内容を熟知している。彼らは天然資源や海運などの伝統的な産業を中心とするコングロマリットで、世界中で事業を展開しているため、「ミニ・バークシャー」とも言えるだろう。

ジェフリーズ・ジャパンのアナリスト、タイン・ハー・ファム(Thanh Ha Pham)はブルームバーグに対し、「日本の5つの商社は、確固たる地位を確立しており、豊富なキャッシュを生み出し、ライバルを撃退するための競争力があり、そのいくつかは多額の配当を行っている」と述べた

ファムはまた、ブルームバーグの別の記事で「日本企業は誠実な会計処理でも知られており、バフェットにとって日本は「自然にフィットできる」国だと述べた。

ヘンリー・H・アームストロング・アソシエイツのジェームズ・アームストロング(James Armstrong)はロイター通信に対し、「この5社はグローバルな事業展開と『魅力的な価格で多くのパイを得る』という『勝利の方程式』を提供している」と語った。


3. 相乗効果を期待して

バフェットは、日本企業を単なる投資先としてだけでなく、バークシャーの子会社の潜在的なパートナーとして見ているようだ。

彼は声明の中で、バークシャーが世界各地での多くの合弁事業を行っていることを強調し、「相互に利益を得る機会」が生まれることへの期待を表明した。


4. インフレに備えるため

各国の政府や中央銀行がコロナウイルスの危機から脱却しようと努力を続ける中、インフレ懸念が高まっている。これまでの取り組みには、景気刺激策としての給付金、航空会社やクルーズ会社のような苦境にある企業の救済、金融市場への多額の資金投入などがある。

FRBのジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は、インフレ率について、これまでのFRBの年間目標である2%を一定期間上回ることを認めると述べた

Smead Capital Managementのビル・スメッド(Bill Smead)は、ロイター通信に、バフェットは日本への投資でインフレから利益を得ようをしているのかもしれないと語った。

「バフェットは、インフレを通じて価値を創造できるところに投資を移している。日本の商社は、原油などの資源価格が上昇するとより多くの利益を得ることができる企業だ」


5. ドル安に備えるため

パンデミックの深刻な影響と景気刺激策の行き詰まりへの懸念が、2年ぶりのドル安をもたらした。一方で円高になれば、多くの日本企業はより大きな利益を得ることになる。

バフェットはドル安を予想して、為替リスクを分散させるために日本に目を向けたのかもしれない。実際、バークシャーは2019年9月に4300億円分の円建て社債を発行した。4月にも1955億円分の社債を発行しており、その調達額は6255億円に上る。バークシャーはこれについて「ドル円の動きに対するわずかなリスク管理」と述べた。


6. キャッシュがあったから

バフェットは、バークシャーが持つ巨額の現金(前回の決算では1470億ドル:約15兆6000億円)を責任を持って使う方法を常に模索している。バフェットが日本株保有を公開したのは、ここ数週間で次々と買い付けを行ってきたことに続いてのことだ。

例えば、7月にドミニオン・エナジーの天然ガス資産を100億ドルで買収し、8月4日までの12日間で21億ドル近くをバンク・オブ・アメリカ株に投じ、5月から7月にかけて70億ドル以上の自社株買いを行った。

バフェットは、単に資金に余裕があり、投資基準に合致していたから日本株を購入したのかもしれない。

[原文:Why Warren Buffett's Berkshire Hathaway has a $7 billion bet on 5 Japanese stocks

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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