Ilya S. Savenok / Stringer
- クリニークやM·A·C、ボビイ ブラウンといった化粧品ブランドを所有するエスティ・ローダー・カンパニーズは、その内部文書で商品の「文化的感受性」を見直す考えを示した。
- 「ブライトニング(肌を明るく)」や「ホワイトニング(美白)」といった表現の使用を見直すという。
- 同社のシニア・バイスプレジデント、スーザン・アッカド(Susan Akkad)氏は、展開するフェイスカラーの色味の幅も見直すことになるだろうと、ブルームバーグに語った。
- 6月にはユニリーバやジョンソン・エンド・ジョンソン、ロレアルが美白化粧品を売り場から撤去し、「ホワイトニング」といった文言を商品から削除すると発表していた。
クリニークやM·A·C、ボビイ ブラウンといった化粧品ブランドを所有するエスティ・ローダー・カンパニーズは、その内部文書で商品の「文化的感受性」を見直す考えを示した。「ブライトニング(肌を明るく)」や「ホワイトニング(美白)」といった表現もこれに含まれる。
同社のシニア・バイスプレジデント、スーザン・アッカド氏は、既存の商品、今後の商品ともに展開するフェイスカラーの色味の幅も見直すことになるだろうと、ブルームバーグに語った。内部文書はブルームバーグが入手した。
化粧品業界は、ジョージ・フロイドさんの死をきっかけに広まったBlack Lives Matter(黒人の命も大切だ)運動を口では支持していながら、商品を見直すことをしていないと批判されてきた。6月にはユニリーバやジョンソン・エンド・ジョンソン、ロレアルが美白化粧品を売り場から撤去し、「ホワイトニング」や「フェア」といった文言を商品から削除すると発表していた。
同じ月、エスティ・ローダーもマーケティングで黒人モデルを相応に使用することやブラック・コミュニティーのニーズにあった色味や処方の商品を確保するといった、人種的公平性に関する新たな対応を約束した。
また、黒人が経営する企業からの材料や包装資材などの調達費を今後3年間で2倍に増やし、展開するブランドおよび創業者一族は今後3年間で人種的、社会的正義のために1000万ドル(約10億6200万円)を寄付すると発表した。
エスティ・ローダー・カンパニーズは、25を超える化粧品、フレグランス、ヘアケアのブランドを展開している。4~6月期の純売上高は24億3000万ドルと、前の年の同じ時期から32%減った。新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)で店舗の営業を一時休止したのがその原因で、同社は店舗の15%を閉店、2000人を削減するという。
(翻訳、編集:山口佳美)