自民党の次期総裁候補の「子育て論」とは。
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自民党青年局と女性局は9月9日、総裁選の立候補者討論会を開いた。女性活躍や子育て政策が議論された中、自民党石川県連の安居知世・女性局長が「自身の子育てを振り返って、子どもたちに伝えたかったことは?」と質問した。
3人の総裁候補はどう答えたのか。その言葉からは三者三様の「子育て観」が垣間見えた。
菅氏「中学・高校は運動部に入って最後までやれ」
撮影:吉川慧
私には3人の息子がおります。息子たちにとっては、厳しい父親であったと思います。小さい頃、土日はほとんど家にいることができませんでした。
ただ私、子どもたちに言ってきたことは、とにかく中学校、高校では運動部に入って最後までやれということです。やはり運動部の中で育ててもらう、そうしたことを子どもたちには伝えました。
勉強しなくてもいいから、人と人との関係を講じることができるのは、そうした部活だと思っています。子どもたちもそのことはみんな感謝してくれているようです。
岸田氏「自分の道を選び、悔いなき人生を」
撮影:吉川慧
私にも息子が3人おります。先ほど、家内との話をさせていただき、1/3ぐらいしか一緒にいなかったという話をさせていただきました。息子との接触もそれ以上に限られていた気がします。それにも関わらず、いま、元気に成人してくれたことについては逆に感謝をしたいと思います。
父親として伝えきれなかった部分もたくさんありますが、ぜひこれからも、言葉ではなく背中で人間の生きる道を伝えていきたいと思います。
言っていることは「何でもいい。自分の道をしっかりと選んで、その道で悔いないように頑張ってもらいたい」。こういったことだけです。それぞれが悔いのない人生を歩んでもらいたいと心から願っています。
石破氏「泣いている子がいたら“どうしたの?”と言える子であってほしい」
撮影:吉川慧
私もほとんど家にいなかったです。2人の娘がいますが、妻が娘の部屋に私の選挙ポスターを貼って「これは誰でしょう?」なんてやっていて、家に帰ったら「ポスターの人が来た」と言われて愕然としたことがあります。
「あの子がいて良かったな」と言ってもらえる。そういう子にしたいと思ってきました。泣いている子がいたら「どうしたの?」といえる、そういう子にしたいと思ってきました。勉強を一生懸命やってくれ。当たり前のことです。
できる限りのことはしっかりやってもらいたい。そして誠実に生きてもらいたい。いつかは誰かが認めてくれるってことです。そのときだけ良ければいいのではありません。
いちばん大事なのは、泣いている子に「どうしたの?」と言える子であってほしい。そう思ってきました。応えてくれたら嬉しいなと思います。
(文・吉川慧)