アメリカ企業は中国からの「切り離し」に反発…70%の企業が生産拠点の移転を考えていない

2019年6月29日、大阪で開催されたG20首脳会議に合わせて、ドナルド・トランプ大統領は中国の習近平国家主席と二国間会談を行った。

2019年6月29日、大阪で開催されたG20首脳会議に合わせて、ドナルド・トランプ大統領は中国の習近平国家主席と二国間会談を行った。

REUTERS/Kevin Lamarque/File Photo/File Photo

  • 中国に拠点を置くアメリカ企業は、トランプ大統領の米国回帰の呼びかけを無視していることが、新たな調査で明らかになった。
  • トランプ大統領は、米国経済を中国から「切り離し(decouple)」、「世界の製造業大国 」にする計画だと繰り返し述べた。
  • しかし、在上海アメリカ商工会議所の調査によると、中国で事業を展開しているアメリカ企業の70%以上が、生産拠点をアメリカに戻す計画がないことが分かった。
  • 中国に進出しているアメリカ企業は、両政府の関係修復を望んでいることが明らかになった。

ドナルド・トランプ大統領が中国を放棄してアメリカに戻るよう求めたにもかかわらず、中国に拠点を持つアメリカ企業は通常通りの営業を続けるつもりだ。

トランプ大統領は9月7日、中国との貿易戦争が続き、通信機器大手のファーウェイや香港での中国の行動などをめぐって緊張が高まる中、アメリカ経済を中国から「切り離す(decouple)」計画をあらためて表明した。

大統領は、ホワイトハウスでの記者会見で、「(中国と)取引をしなければ、何十億ドルも失うことはなかった」と述べ、「アメリカを世界の製造業の超大国にし、中国への依存をきっぱりと終わらせる」と付け加えた。

しかし、フィナンシャル・タイムズは、在上海アメリカ商工会議所が委託した最新調査によると中国で事業を展開しているアメリカ企業はトランプ大統領の要請に耳を傾けていない、と報じている。

PwCコンサルティングが200社以上を対象に実施したこの調査では、生産拠点のアメリカへ移転すると答えたのは4%未満で、70%以上が中国からの移転をまったく計画していなかった。

在上海アメリカ商工会議所のケル・ギブス(Ker Gibbs)会頭は、アメリカ企業は北京から離れるよりも、中国での事業を続けたいと考えていると述べた。

「COVID-19は2020年初めに中国経済に大きな打撃を与えたが、回復は早かった。アメリカ企業は依然として中国市場を大きなチャンスとみなしている」と彼はフィナンシャル・タイムズに語っている。

トランプ大統領が中国との貿易戦争を続け、アメリカは中国に依存しない程度まで製造業を拡大すべきだと主張しているにもかかわらず、中国に拠点を置くアメリカ企業のほとんどは、中国での事業を通常通り続けている。

ギブス氏は、トランプ政権と習近平国家主席の緊張関係が中国に拠点を置くアメリカ企業の最大の懸念であり、両国政府が関係を修復することを望んでいると述べた。

「地政学的な緊張が経営者の最大の関心事となっていることは注目に値する」と、彼は述べた。

「パンデミックに起因する変化は、貿易の緊張、激しい競争、それに規制の変更などの不確実性などが相まって、中国で操業しているアメリカ企業の経営陣にとって大きな試練になっている」

[原文:US companies are defying Trump's demands to 'decouple' from China

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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