トランプ大統領はCOVID-19の怖さを知っていた…「パニックを起こしたくない」「意図的に軽視した」

トランプ大統領

2020年9月8日、ノースカロライナ州ウィンストンセーラムの空港での選挙イベントに登場したドナルド・トランプ大統領。

REUTERS/Jonathan Ernst

  • ドナルド・トランプ大統領がコロナウイルス感染症を国家的な緊急事態と宣言してから約1週間後、彼はジャーナリストのボブ・ウッドワードに「軽く見せかけたい」と語っていた。
  • ウッドワードは、近々出版予定の書籍のために、トランプ氏に何度かインタビューを行っている。CNNが出版前の書籍のコピーと、彼らの対話の音声を入手した
  • トランプ大統領は3月19日、「パニックを起こしたくないから、私は今でも発言を抑えている」と語った。
  • トランプ氏はCOVID-19の脅威を軽視する発言を繰り返してきたが、ウッドワードのインタビューは、多くの人が考えているよりも早く、彼がその深刻さを把握していたことを示している。彼は2月、ウォーターゲート事件報道で知られるこのジャーナリストに、COVID-19は「インフルエンザよりも致命的だ」と話した。これはインフルエンザと比較した彼の公の発言と矛盾している。

ボブ・ウッドワード(Bob Woodward)は9月15日にアメリカで発売される予定の著書『Rage』で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、パニックが起きないようにCOVID-19の脅威を軽く見せようとしていたと語った、と書いている。

この書籍を入手したCNNによると、トランプ大統領は3月19日、ウッドワードに対して「いつも軽く見せたいと思っている」と述べた。そして「パニックを起こしたくないので、今でもそうしている」と付け加えたという。この発言は、大統領がコロナウイルス感染症に対して緊急事態を宣言してから約1週間後になされたものだ。

CNNによると、ウッドワードとの18回以上のインタビューで、大統領はウイルスの危険性について、それまで考えられていたよりもはるかに多くのことを知っていたことを明らかにしたという。

トランプ大統領は2月にウッドワードに対し、このウイルスは「致命的なもの」であり、「あなたのかかった重い風邪よりも致命的だ」と述べている。

そして3月19日のインタビューでも、大統領はコロナウイルスがどれほど致命的かに言及した。CNNが入手した音声によると、彼は「高齢者だけでない」と述べたという。

トランプはウッドワードにコロナウイルスの脅威を軽く見せたと語った。

「いつもそうだ。パニックを起こしたくないので、軽く見せかけた」

彼はまた、ウッドワードに「たくさんの若者」も危険であることを伝えた。それは彼の公式声明とは異なるものだ。

ホワイトハウスのケイリー・マケナニー(Kayleigh McEnany)報道官は、9月9日の会見でこの本について語った。

「大統領は常にアメリカ国民のことを考えてきた」とマッケナニーは述べ、「誰もアメリカ国民に嘘をついていない」と付け加えた。

トランプ大統領は繰り返しCOVID-19の脅威を軽視する発言をしてきた。発生初期には、公衆衛生の専門家が日常生活に深刻な混乱が生じることに備えるように警告していたにもかかわらず、ウイルスがアメリカ国内で大規模に広がることはないだろうと述べていた。

例えば2月26日、トランプ大統領は、アメリカでのCOVID-19の症例数は「数日のうちに」ゼロに近づくだろうと述べた。9月9日の時点で、米国はCOVID-19の患者数が世界で最も多く(630万人以上)、確認された死亡者数も最も多い(約19万人)。

大統領はまた、インフルエンザとの比較でCOVID-19を誤解させるような発言をしていたが、COVID-19の方がはるかに致死率が高い。

トランプ大統領は、ウッドワードにコロナウイルスの方がインフルエンザより死亡率が高いと語った1カ月後、FOXニュースのインタビューで、経済活動の停止が正当化されない理由を説明するために、このウイルスをインフルエンザと比較した。

「我々はインフルエンザでひどい目に合っている」と彼は言った。

「考えてみてほしい。(インフルエンザでは)平均して年に3万6000人も死ぬ」

大統領は2月7日、ウッドワードに、このウイルスは空気感染するとも述べている。当時、一般にはCOVID-19は主に汚染された物体の表面に触れることで広がると考えられていた

CNNによると、トランプ大統領は「空気を通して感染する」と述べ、「それは接触感染より難しい問題だ。物に触る必要はない。空気を呼吸するだけで感染する。これは非常に難しい問題だ。とてもデリケートだ」と述べたという。

大統領は、公共の場にいるときや、他人から離れられないときはマスクをすることを推奨する公衆衛生専門家の意見を一貫して無視してきた。8月、1500人以上の人々がホワイトハウスに集まり、トランプ氏の大統領候補指名受諾演説を聴いた。そこではマスクをしていない人が多く、椅子と椅子の間に隙間がほとんどないことから、医療関係者の間では不安が広がっていた。

ウッドワードに対して語ったように、トランプ大統領は3月31日、COVID-19が 「恐ろしいものかもしれない」ことを知っていたと公式に認めた。

彼は「私はすべてを知っていた。恐ろしいものかもしれないし、そうではないかもしれないと思っていた」とホワイトハウスでの記者会見で述べた。「私はネガティブな人間になりたくない」

トランプ大統領はその代わり、アメリカの「チアリーダー」になり、アメリカ人に「希望」を届けたいと述べた。

[原文:'I still like playing it down': Trump told a veteran journalist he 'always' downplayed the threat of COVID-19 to avoid causing 'panic'

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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