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中国人留学生ら1000件のビザを停止…米中関係の悪化はどこまで続くのか

トランプ大統領_劉鶴副首相

中国の劉鶴副首相と貿易条約に署名するトランプ大統領。2020年1月15日、ホワイトハウスで。

AP Photo/Evan Vucci

  • 安全保障上のリスクがあるとみなされる中国人の大学生や研究者約1000人のビザを無効にしたとアメリカ政府が発表した。
  • アメリカ国務省は、「中国共産党の軍事的な目標」に関係しない合法的な中国人留学生は歓迎すると話した。
  • トランプ大統領は2020年5月に、軍と関わりのある中国人のビザを無効にすると話していた。

アメリカ政府は、安全保障上のリスクとみなされた1000人の中国人留学生と研究者のビザを無効にした。

アメリカ国務省は9月9日、中国によって「進的な軍事能力を開発するためのアメリカの技術、知的財産、情報」が盗まれるのを阻止するため「リスクの高い大学生と研究者」のビザを無効にしたと発表した。広報官は「中国共産党による軍事的な支配」に関係しない正規の中国人留学生は歓迎すると付け加えている。

9日の午前、アメリカ国土安全保障省(DHS)のチャド・ウルフ(Chad Wolf)長官代行は「機密性の高い研究内容の盗用や剽窃を防止するため、中国の軍民融合戦略と関わりのある一部の中国人学生と研究者のビザを無効にした」と語った。

アメリカと中国の緊張が高まるなかでの今回の動きは、中国軍と繋がりがある中国人のビザを無効にするという、トランプ大統領が5月末に発した布告に基づく措置だと国務省は説明した。

大統領布告では、中国は「人民解放軍の近代化推進と能力向上を目標に、アメリカの技術と知的財産を手に入れる目的で、資源をふんだんに投入して、広範にわたる活動を行っている」とされている。同大統領布告は6月1日に効力を持つようになった。

中国はビザの無効化についてはコメントしていないが、6月には中国人へのアメリカ留学制限に反対し、トランプ政権へ2国間の橋渡しとなるよう要請していた。

(編注:その後、「あからさまな政治的迫害で、人種差別だ」「さらなる行動に移る準備がある」とコメントした)

コロナウイルス禍以前は、約37万人の中国人学生がアメリカの大学に在籍していた。アメリカの国際教育交流団体NAFSAによると、中国人学生は2019年、アメリカで学ぶ外国人留学生の3分の1を占めるようになり、アメリカ経済への貢献は全体で約410億ドル(約4兆3500万円)にのぼるとしている。

ワシントンと北京の間の緊張と貿易摩擦はこの数カ月間でエスカレートしてきている。中国企業が所有する動画アプリTikTokの禁止、もしくはアメリカ版アプリの売却を求めるアメリカ政府の姿勢を、中国政府は「露骨な虐め」と揶揄している。

これ以前には、アメリカが7月にヒューストンの中国総領事館の閉鎖を指示し、両国が互いに相手国の外交官とメディアに規制を加えているようになっていた

(原文:The US said it had canceled the visas of 1,000 Chinese students to stop them stealing 'sensitive military research'

[翻訳:忍足亜輝、編集:Toshihiko Inoue]

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