鶴岡裕太(30)をここまで連れてきた運命は、偶然のきっかけとちょっとした行動、そして気負いのない自然体の人付き合いによってもたらされたようだ。
もともとパソコンが好きで、早くからインターネットに触れていた鶴岡だが、将来に就きたい職業は特に見つかっていなかった。
東京工科大学に進学し、漫然と大学に通っていた頃、中央線に揺られながらふと目にしたTwitterのタイムライン。CAMPFIREというスタートアップが、学生インターンを募集しているという告知が流れてきた。
その少し前、アメリカ発のクラウドファンディング「Kickstarter」などの存在は知っていた。
「完成品にお金を払ってもらうのではなく、チャレンジにお金を払ってもらってから作る。お金の流れの仕組みを変えるだけで、夢を叶えられる人は増えるんだな」
と関心を寄せていた鶴岡は、興味のままに応募することに。その数日後には、当時住んでいた八王子から電車を乗り継いで六本木まで、面接に出かけていた。
そこで出会ったのが、CAMPFIREなどを創業した起業家で投資家でもある家入一真だ。
「あの出会いがなければ、普通に就職していたと思います」