ルーム社が開発した「フォーカスルーム」
ROOM_Justin Chung.
- 職場環境を創造するスタートアップ、ルーム社は、ミニモジュール式の会議室を発表した。
- これを設置すれば、一般的なオフィスも新型コロナウイルス対する安全性を高めることができる。
- ルーム社が最初に販売したのは、防音機能付き電話ブースだった。
コロナ後のオフィスは、もうこれまでと同じというわけにはいかないだろう。仕切りのないオープンな空間、スナックコーナー、さらには仮眠設備や同僚との交流の場などは、トレンディなオフィスの象徴だったが、今の状況でオフィスでの業務が再開されてみると、その安全性が気になるところだ。
ニューヨークを拠点とするスタートアップ、ルーム(Room)社は、ウーバー(Uber)、グーグル(Google)、セールスフォース(Salesforce)に電話ブースを販売したことで名前が知られるようになった。そのルーム社が2020年8月末、オープンな構造のオフィスをソーシャルディスタンシングの時代にふさわしいオフィスに転換させる新製品を発表した。
このモジュール式のワークポッドは、簡易な会議室に換気装置を組み込んだようなもの。加えて、ルーム社は新たな分析ツールも提供しており、クライアントはそれを用いてオフィスがどのように利用されているのか、そしてオフィスで安全に業務を再開するにはどうすればいいのか、検討材料となるデータを得ることができる。
ルーム社が提案した部屋は、パンデミックでの働き方を模索する中で生み出されたさまざまなアイディアのうちの1つである。建築家兼デザイナーのモハメッド・ラドワン(Mohamed Radwan)氏は、空気清浄機付き密閉型オフィスポッドを開発した。他の多くのデザイナーも、裏庭に設置できる小さなオフィスや、自宅をセンスの良いオフィスに変換する方法などを提案してきた。
この会議室は、ルーム社の提案の1つだ
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この会議室をオフィスに持ち込めば、オープンな空間を区切ることができる。移動させることも簡単だ
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ルーム社が行った調査によると、70%以上の会議が、2人から4人で行われるという。このモジュラー式会議室があれば、ほとんどの場合、大会議室の代わりになる
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スタンダードタイプの会議室の価格は1万5995ドル(約167万円)から。最大収容可能人数は4人
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プロタイプの会議室の価格は1万7995ドル(約188万円)。スタンダードタイプよりも機能が豊富
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どちらのタイプも防音仕様で、作動音が静かな換気装置、省エネのための人感センサー、配線や小物類の収納スペースを備えている
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スタンダードタイプにはホワイトボードが設置されている。プロタイプには、モニターとカメラが備え付けられ、ビデオ会議が簡単に行える。多くの人がリモートワークをしている今、この機能は非常に重要だ
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ルーム社によると、これらの会議室の内部の空気は、60秒ごとに入れ替えられる。これは、一般的な会議室の5倍の速さだ
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簡単に移動させることができるので、現場のニーズに合わせて配置できる。写真は個人用のワークスペース
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オープンなタイプの会議室もある。価格は1万3995ドル(約146万円)から。構造は他のタイプとほぼ同じだが、片面の壁がなく、風通しがいい
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いずれの会議室も、ライトカラーあるいはダークカラーの2色。年間495ドル(約5万2000円)でメンテナンス契約をすることができる
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発送は11月から。キットで配送され、現場で組み立てる
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他にも個人が利用できる「フォーカスルーム」もある
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ルーム社は、ルームセンスという製品の発表も行った。クライアントはこれを用いてオフィス空間の人口密度や利用状況についてのデータと分析結果を得ることができ、オフィスでの安全な業務再開に向けて、計画を立てられる
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(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)