"エスニック"は時代遅れ? 食の好みが多様化する中、若い世代を中心に違和感が広がっている

調味料

"エスニック"調味料。

Irene Jiang/Business Insider

  • 人々の食の好みが変化する中で、"エスニック"はますます時代遅れになりつつあるカテゴリー名だ。
  • ニューヨーク大学栄養・食品学部の学部長クリシュネンドゥ・レイ(Krishnendu Ray)氏は、"エスニック"は黒人のものでも白人のものでもないもの全てを含む"余り物カテゴリー"だとBusiness Insiderに語った。
  • 上の世代に比べて大学教育を受けている人の割合が2倍近く多い移民のミレニアル世代が購買力を増すにつれ、人々の食の好みはより多様かつ包括的になっている。
  • ただ、食の好みが多様化しているとはいえ、必ずしもこうした食を生んだ文化を背景に持つ人々が経済的な恩恵を受けているわけではない。

サルサ、しょうゆ、マサラ…… この3つには何の共通点もない。それなのに、なぜこうした調味料は食料品店でしばしば"エスニック"コーナーにひとまとめにされているのだろうか?

「これは現代の人々の料理との向き合い方に合っていないように感じます」と消費者向けにアジア料理のミールキットを販売しているスタートアップ「Omsom」の共同創業者バネッサ・ファム(Vanessa Pham)氏はBusiness Insiderに語った。

ファム氏は「食料品店のレイアウトは、国の並びと同じようにあるべきです。麺はパスタの隣に、アジアの調味料は西側諸国の調味料の隣にあるべきなのです」と言う。

ニューヨーク大学栄養・食品学部の学部長で准教授のクリシュネンドゥ・レイ氏によると、アメリカの料理の"主流"は絶えず変わり続けていて、"主流"でないものもそれは同じだという。

"エスニック"という言葉は、黒人のものでも白人のものでもないものを分類する方法として、アメリカの文化の中に常に存在してきたと、レイ氏は指摘する。イタリア料理が"エスニック"料理と見なされていたこともある。それが変わったのは、人々がイタリア系アメリカ人を白人と考えるようになった頃だ。

「人々は"エスニック"が時代遅れの、一部の人々の気分を害させるような"余り物カテゴリー"だと認識し始めています。中には、物事を"エスニック"と分類するのは、"ニグロ"や"オリエンタル"といった言葉を使うのと同じように聞こえるという人もいます」とレイ氏は言う。

Omsomのもう1人の共同創業者キム・ファム(Kim Pham)氏は、"エスニック"売り場は「他人化(othering)」を助長すると、Business Insiderに語った。ちなみに、キム氏とバネッサ氏は姉妹だ。

「これら全てが1つのコーナーにまとまっていることで、こうした商品の使われ方をどう予想しているか、規則性が分かります」とキム・ファム氏は指摘する。

「わたしたちはそこに放り込まれたようなものです」とBusiness Insiderに語ったのは、香辛料を販売する「Diaspora Co.」の創業者サナ・ジャベリ・カドリ(Sana Javeri Kadri)氏だ。「わたしにとっては、全ての美味しいものが揃っている場所です。全ての味がそのコーナーにあります」とカドリ氏は言う。

アメリカでは、人々の食べ物の消費の仕方が変化する際に公民権運動が極めて重要な役割を果たしたと、レイ氏は指摘する。それまで上流階級が消費するものは「ほぼ一様」だったという。ところが公民権運動の後、収入や教育水準の高さと、文化的に「雑多」な、さまざまな文化のものを消費する人々との相関が高まった。

今日、アメリカの食はこれまでになく多様化している。これは、世界の食べ物に対する白人のミレニアル世代の若者の関心が高まったことと、アメリカで生活している移民または人種的マイノリティーの購買力が上がったためだ。移民のミレニアル世代は上の世代に比べて、収入が高く、大学教育を受けている人の割合が2倍近く多い

ターメリック(ウコン)は近年、健康志向の高い人々の集まりや高級コーヒー店などを中心に人気が高まっている"エスニック"の香辛料の1つだと、カドリ氏は言う。同氏は、こうした"エスニック"の食材を誰がどう使おうと、食材の発案者がその功績を認められ、経済的な恩恵を受けている限り、構わないと考えている。だが、現実はそうではないという。

「業者や翻訳者はひげをたくわえた白人男性であることが多いのです」とカドリ氏は話した。

そして、"エスニック"売り場が「自身の文化を忠実に表現する」ための機会として業者に提供されるなら、"エスニック"食材を扱う企業はごくわずかな陳列スペースをめぐって争うことになると、メキシカン・アメリカン・フードを手掛けるSiete Family FoodsのCEOミゲル・ガルサ(Miguel Garza)氏はBusiness Insiderに語った。

「わたしには理解できません。サルサが今、アメリカでナンバー1の調味料なら、どうして1つの売り場に追いやられなければならないのでしょう?」

[原文:Millennials are killing the 'ethnic aisle' — and insiders and experts say that's a good thing

(翻訳、編集:山口佳美)

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