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レポート:コロナで大打撃を受けた旅行業界。需要はいつ頃に戻る?

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  • この記事はeMarketerによる調査レポート「コロナの時代の旅行(Travel in Times of COVID-19)」のプレビュー版。レポート完全版(有料)はこちらから

新型コロナウィルスの感染拡大によって最も大きな打撃を受けた業界のひとつが、旅行業界だ。回復には時間がかかるとみられ、多くのセクターがコロナ前の規模に戻るのは早くても2022年との予想だ。また、近場でのんびり過ごす「ステイケーション」人気など、パンデミック下でのトレンドが長く続くかもしれない。

状況は刻々と変化しているため、2020年下半期以降の旅行業界の状況を予想することは難しい。旅行に対する消費者心理は月を追うごとに改善していくという最近の調査結果もあるが、不確定要因が多く、その通りになるかどうかは未知数だ。例えば秋に新たな感染の波が来れば、人々の警戒心が再び増すかもしれない。

海外旅行はしばらく我慢

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アメリカにおける「デジタル・トラベル(ネットを介した移動手段や宿泊施設などの予約・チケット購入)」売上高の推移と予測。

Business Insider Intelligence

はっきりしているのは、少なくとも2020年いっぱいは、海外旅行より国内旅行を計画する人が多いだろうということだ。

5月中旬に市場調査会社のGlobalWebIndexがアメリカのインターネットユーザーを対象に実施した調査では、「今後1年の間に実行したい旅の形」として回答者の46%が「国内旅行」を、20%が「地元でのステイケーション」を選んでいる。短期・長期の「海外旅行」を選んだ人は全体のおよそ1割で、「クルーズ」は6%だった。

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「今後1年の間に実行したい旅の形」の一番人気は「国内旅行」。一方、「旅行を控える」とする人は33%にのぼった(2020年5月:GlobalWebindexによるアメリカでの調査)。

Business Insider Intelligence

同じく2020年5月にLuggageHeroが行った調査の結果では、2021年の海外旅行を取り巻く状況はもう少し明るい。ただし、これは調査主体が手荷物預かりサービス提供企業だということが影響している可能性もある。

この調査では、「海外旅行に出かけても良いと思える時期」として、アメリカ在住の16歳以上の回答者の45%が「2021年」と答えている。それに対して、今年の「6〜8月」は19%、「9〜12月」では33%となっている。

本格的な回復はワクチンが普及してから

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アメリカの旅行業界の収益の推移と予測(2020年2〜12月)。

Business Insider Intelligence

2021年にワクチンが出る見通しであることを考えると、これは妥当な結果と言えるだろう。調査会社Resonateによる5月の調査では、ワクチンの普及は国内旅行よりも海外旅行により大きなインパクトを与えるという結果が出ている。

アメリカの成人を対象としたこの調査では、「再び安心して海外旅行ができるようになるために必要なこと」として挙げられた選択肢のうち「ワクチンの広範囲な普及」を選んだ人が最多で、回答者の45%を占めている。

「州をまたいだ旅行」に関してワクチンの普及を挙げた人はおよそ37%で、「州内の旅行」に関しては27.2%だった。旅客機内で体調を崩すリスクや、外国で治療を受けることの難しさを考えると、うなずける結果だ。

旅行業界にとってのパンデミック収束は「安心感」が戻ってきた時

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「新型コロナウイルスの流行が落ち着くなかで、旅行に出かけても良いと判断する基準は?」2020年4月のアンケート結果。安心と感じられるまで、という回答が最多となっている。

Business Insider Intelligence

本記事の執筆時点では、パンデミックの収束時期についての確たる見通しは立っていない。専門家は、歴史的に見てパンデミックには2つの終わりがあるとしている。

1つ目は医学的な観点からの収束で、感染率と致死率が一定数を下回った時。

2つ目は社会的な見地からの収束で、その感染症に対し社会に広く共有されていた恐怖が収まった時を指す。

旅行業界にとっては、人々が安心して旅行ができると感じる時こそがパンデミックの終わりとなる。そして多くの消費者にとって、それはワクチンの普及を意味する。しかし、それを待たずに旅を再開したいと考える人もいて、とりわけ旅慣れた人の間ではその傾向が高いだろう。

また、旅の目的地、移動手段、宿泊施設の種別ごとに回復のペースは異なる見込みだ。自家用車での旅は、短距離・長距離を問わず、飛行機での旅行よりも早く回復する。また、民泊に比べ、ホテルの方が早く客足が戻るだろう。

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[原文:How COVID-19 will affect the US travel industry in 2020 and beyond

(翻訳・野澤朋代)

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