2020年、iPad出荷から10年目を迎え累計販売台数が5億台を超えたと話す、アップルCEOのTim Cook(ティム・クック)氏。
出典:アップル
アップルは9月16日、新型タブレット「iPad Air(第4世代)」と「iPad(第8世代)」を発表した。日本での発売日はiPad Airが10月、iPadが9月18日。価格は以下のとおり(いずれも税抜)。
- iPad Air(第4世代)64GB・Wi-Fiモデル……6万2800円
- iPad Air(第4世代)64GB・Wi-Fi+Cellularモデル……7万7800円
- iPad Air(第4世代)256GB・Wi-Fiモデル……7万9800円
- iPad Air(第4世代)256GB・Wi-Fi+Cellularモデル……9万4800円
- iPad(第8世代)32GB・Wi-Fiモデル……3万4800円
- iPad(第8世代)32GB・Wi-Fi+Cellularモデル……4万9800円
- iPad(第8世代)128GB・Wi-Fiモデル……4万4800円
- iPad(第8世代)128GB・Wi-Fi+Cellularモデル……5万9800円
新型iPhoneより先に“最新の心臓部「A14」”を搭載
iPad Air(第4世代)はパステル風の5色のカラーバリエーションを展開。
出典:アップル
iPadの発表で最大の注目ポイントは、iPad Airに搭載されたチップセットだろう。
iPad Air(第4世代)は5nmのプロセスルールを採用した「A14 Bionic」を搭載。これはアップルの半導体の中でも最新のものだ。現行機種のiPhone 11 Proなどよりも新しい世代ということになる。
iPad Air(第4世代)は、最新のA14 Bionicチップセットを搭載する。
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アップルは、いままで新型iPhoneで新チップセットを発表、その後に同様もしくはその強化版をiPadに搭載してきた。その順序を逆転させたiPad AirのA14 Bionic搭載は、従来になかった展開といえる。
A14 Bionic搭載により第4世代Airは、第3世代Airに比べてCPU処理は40%高速化、グラフィック性能は30%、グラフィックの処理速度は2倍に向上している。
A14 Bionicの詳細。
出典:アップル
その他の機能については、基本的に2018年11月発売の「11インチiPad Pro(第1世代)」を踏襲している。
特筆すべき点としては、iPad Proでは生体認証にFace ID(顔認証)を採用しているが、今回の第4世代AirについてはTouch ID(指紋認証)を採用。センサーは上側面にある電源ボタンに内蔵されている。
アップルが新型コロナ対応をどこまで意識したのかは未知数だが、Face IDはマスク装着時には機能しないため、Touch IDを歓迎する人は少なくないだろう。
iPad Air(第4世代)は、初めて画面側面にTouch IDを搭載するiOS(iPadOS)端末になる。
出典:アップル
Touch ID採用に伴い、正面カメラにも差分が生まれている。iPad Proは複数のセンサーを搭載し顔の形状を検出できるTrueDepthカメラを搭載するが、第4世代Airでは単なるFaceTime HDカメラとなっている。
iPad Air(第4世代)の特徴。
出典:アップル
iPad Air(第4世代)の主なスペック(括弧内は11インチiPad Pro第1世代のもの)
- 大きさ(幅×高さ×厚み):178.5×247.6×6.1mm(178.5×247.6×5.9mm)
- 重量(Wi-Fi/Cellular+Wi-Fi):458g/460g(468g/468g)
- ディスプレイ:10.9インチ2360×1640ドット(11インチ2360×1640ドット)
- 画面輝度:最大500ニト(最大600ニト)
- ProMotionテクノロジー(120Hz描画):非対応(対応)
- チップセット:A14 Bionic(A12X Bionic)
- Apple Pencil:第2世代(同様)
- 背面カメラ:1200万画素・F値1.8(同様)
- 正面カメラ:700万画素のFaceTime HDカメラ(700万画素のTrueDepthカメラ)
- スピーカー:2つ(4つ)
- Wi-Fi:IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)
- SIM(Cellular版のみ):ナノSIM+eSIM(同様)
- コネクター:USB Type-C+Smart Connector(同様)
- 生体認証:Touch ID(Face ID)
現行Proの「LiDARスキャナ」はなし。価格重視なら無印iPadも狙い目
iPad Air(第4世代)のカメラはシンプルなものだ。
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現行のiPad Pro(11インチiPad Pro第2世代と12.9インチiPad Pro第4世代)と比べると、大きなコンセプトの違いは、LiDARスキャナの有無と言える。
ARコンテンツを楽しむ(もしくは開発する)のでなく、ある程度高性能な処理能力を求めるのであれば、特に3月発表のiPad Proを「ステイ」で飛びつかなかった人にとっては、このiPad Air第4世代は“買い”と言える。
チップセットのアップデートが行われたiPad(第8世代)とSmart Keyboard。
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また、アップルは“売れ筋”とも言える比較的低価格なiPad無印シリーズもアップデート。チップセットがA10 FusionからA12 Bionicに変わったぐらいのマイナーチェンジで、Apple Pencilも第1世代、充電端子もLightningを採用する。
もし、今回発表されたiPad Air(第4世代)とiPad(第8世代)のどちらを購入するか迷ったら、より高い処理性能とUSB Type-Cによる拡張性を求めるならAir、価格重視であるならば無印、といった具合で判断するといいだろう。
(文・小林優多郎)