Edgar Su/Reuters
シンガポール航空は、シンガポール・チャンギ国際空港を出発し、同空港に戻ってくる3時間の遊覧飛行の提供を計画しているようだ。スタートは10月下旬を予定している。シンガポールの新聞『ストレーツ・タイムズ』が9月11日に最初に報じた。
この遊覧飛行について、シンガポール航空はまだ何も発表していない。
シンガポール・エア・チャーター社のステファン・ウッド(Stefan Wood)氏によると、この遊覧飛行にはシンガポールにあるホテルの宿泊や「お買物券、リムジンサービス」が含まれる可能性もあるという。
ストレーツ・タイムズによると、シンガポール航空は政府が観光支援策として打ち出した補助金を使って客がこの遊覧飛行の費用を払えるよう、シンガポール政府観光局との提携を検討しているという。
同じ空港発着の遊覧飛行を提供するのは、シンガポール航空が初めてではない。
オーストラリアのカンタス航空は2020年11月から2021年2月まで、12時間に及ぶ南極大陸遊覧飛行を提供する計画だ。メルボルン、シドニー発着がそれぞれ2便ずつ、ブリスベン、パース、アデレード発着がそれぞれ1便ずつ予定されている。
「シンガポール航空は、わたしたちの顧客、国民の両方を引き込み続けられるような複数のキャンペーンを検討しています」とシンガポール航空の広報担当者はストレーツ・タイムズに語った。「計画に進捗があれば、適切なタイミングで発表させて頂きます」という。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、"空の旅"への需要は全体的に低下している。国際航空運送協会(IATA)は、現状について「業界がこれまで直面してきた中で最大の危機」であり、2020年だけで世界の航空会社約290社が3140億ドル(約33兆円)を失う見込みだとしている。
シンガポール航空は9月10日、従業員約4300人を削減する計画だと発表。今後の見通しも修正し、今年度いっぱいは通常の50%以下の運航になるだろうとしている。
「今後数週間は、わたしたちの友人や同僚の一部が会社を去る、シンガポール航空史上最も厳しい期間になるだろう」とCEOのゴー・チュン・ポン(Goh Choon Phong)氏は語った。「これは影響を受ける人々の強さや能力の問題ではない。航空業界がのみ込まれた、かつてない世界的危機の結果だ」とした。
シンガポール・エア・チャーター社が308人を対象に実施した最近の調査では、回答者の75%がシンガポール航空のこの「どこにも行かないフライト」のチケットを購入したいと考えていることが分かった。
(翻訳、編集:山口佳美)