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グーグルの公約は十分ではないと従業員が指摘「石油会社とのコラボや、気候変動を否定する政治家への献金はやめるべき」

サンダー・ピチャイCEO

Denis Balibouse/Reuters

  • グーグルは、2030年までに再生可能エネルギーに全面的に切り替えるという新たな気候変動に関する誓約を発表した。
  • 誓約は、2019年に同社の従業員の環境活動家によって作られた4つの要求の1つに対応している。
  • グーグルの従業員3人はBusiness Insiderに、この発表は喜ばしいものだが、まだ十分ではない、と語った。
  • 彼らは、グーグルが気候変動対策に真剣に取り組むのであれば、化石燃料企業との関係を断ち、気候変動関連法案に反対するロビイストへの資金提供をやめる必要があると考えている。

グーグル(Google)は9月14日、クリーンエネルギーの購入により、1998年の創業から正式にカーボンニュートラルに移行した2007年までに発生したCO2をすべて相殺したと発表した。また、同社のサンダー・ピチャイ(Sunder Pichai)CEOは2030年までに全事業を再生可能エネルギーで運営することを約束した。

この誓約は、2019年11月に経営陣に対して環境活動家の従業員が送った公開書簡の4つの要求のうちの1つを満たしている。

書簡に関わった3人の現役グーグル社員がBusiness Insiderに匿名を条件に語ったところによると、彼らは同社の発表を歓迎する一方で、グーグルが本当に気候変動と戦うつもりならば、道のりは長いと述べている。

彼らはBusiness Insiderへの共同声明の中で「グーグルの従業員による持続的な取り組みの結果、グーグルが『気候変動に関する公開書簡』の4つの要求のうち、最初の要求である2030年までにゼロエミッションを達成することを約束してくれたことは大変喜ばしい。100%カーボンフリーのデータセンターとオフィスをリアルタイムで実現するための技術的課題は簡単ものではなく、我々はその努力に拍手を送りたい」と述べた。

そして「しかし、この約束だけでは十分ではない。気候変動がもたらす具体的な脅威が、日毎に緊急性を増してきているからだ。グーグルが化石燃料企業との取引を維持して、再生可能エネルギーへの移行を遅らせている場合ではない。気候変動の現実を否定する政治家や政治団体に資金を提供し続けている場合ではない」と、彼らは付け加えた。

ガーディアンの2019年10月の記事によると、グーグルは気候変動関連の法律制定に反対してきた12以上の政治団体に多額の寄付をしているという。

またグーグルは2020年5月、石油会社やガス会社向けにカスタムAI技術を開発することをやめると約束したが、両社との取引を完全にやめることはしなかった。この約束は、グリーンピースによる、グーグル、アマゾン(Amazon)、マイクロソフト(Microsoft)の3社が「世界で最もダーティーな石油会社のいくつか」とクラウドの契約を結んでおり、それぞれの気候への取り組みを台無しにしていると非難するレポートが出されたことを受けたものだ。

「グーグルを初めとする裕福なテクノロジー企業には、ユーザーと従業員にとって住みやすい公平な未来のためにリソースを注ぎ込む責任と機会がある。今回の発表は正しい方向への一歩ではあるが、事態の緊急性を考えると十分ではない」と従業員たちは声明で述べた。

1人の従業員は、グーグルが気候変動対策を真剣に考えているのであれば、単独では行動することはできないと述べている。

「地球温暖化を1.5℃以下に抑えるには、グーグルの技術が化石燃料を扱う企業に利用されることを許してはならない。そうでなければ、グーグルのスピリットとハードワーク、我々全員の未来と相反することになる」とグーグルの従業員は言った。

環境活動団体「エクスティンクション・リベリオン(Extinction Rebellion)」は、グーグルの誓約が十分ではないことを強く感じていると述べた。

「グーグルは二酸化炭素を排除すると主張しているが、石油や天然ガスの採掘を加速させるための大規模で継続的な協力関係や気候変動に対抗する行動に反対し続けるロビイストへの資金提供からの排出量を計上するつもりはないようだ」と同団体のニューヨーク市技術活動グループの広報担当者はBusiness Insiderに語った。

2020年5月にグーグルを退職したエンジニアで気候変動活動家のサム・カーン(Sam Kern)は、希望的観測を示している。

「この1年間、テック系の労働者たちは気候変動対策を強く求めてきた。その結果、アマゾンやマイクロソフト、グーグルなどは気候変動対策に活発に取り組んでいる。我々は、フェイスブック(Facebook)、アマゾン、マイクロソフトなどがグーグルの新たな目標を理解し、自らも改善していくことを期待する」と同氏はBusiness Insiderに語っている。

2019年9月には、グーグル、アマゾン、ツイッター(Twitter)、マイクロソフト、フェイスブックなどのIT企業で働く何千人もの労働者が、気候変動対策を促す活動の一環としてストライキを行った。

「気候変動対策を推進してきたグーグルの社員たちには大きな刺激を受けている」と彼女は続けた。

「気候の危機的な状況を抱えながら、毎日働くのは大変だ。しかし、窓の外の煙が思い出させてくれる。気候変動対策はすべての企業にとって最優先事項であると。今回のような発表は、従業員が毎日、持続可能な未来を確保するために必要な変化を要求しなければ成し遂げられなかっただろう」

[原文:Google employee activists say the company's 2030 zero-emissions pledge is good, but doesn't go far enough

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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