ソニーモバイルは、5G対応スマートフォン「Xperia 5 II」を発表した。
撮影:小林優多郎
ソニーモバイルは9月17日、新型スマートフォン「Xperia 5 II」を発表した。2020年秋に日本を含む国と地域で販売予定。海外市場での価格は約950ドル(約10万円)。
Xperia 5 IIは名前の通り、2019年9月に発表された「Xperia 5」の後継機にあたる端末。2020年2月発表のフラグシップ機「Xperia 1 II」の特徴を活かしつつ、持ちやすいコンパクトな形状に仕上がっている。
120Hzの高速画面描画など「1 II」にはない特徴も
写真左からXperia 5 II、Xperia 5(ドコモ版)。
撮影:小林優多郎
Xperia 5 IIの最大の特徴は現在主流の端末の中では小柄ながら、ハイエンド級のスペックを備えている点にある。
前機種の「Xperia 5」と比べて幅や高さは変わらず、薄型化に成功している。ディスプレイも21対9という縦横比や、フルHD+解像度(1080×2520ドット)の有機ELを採用している点は同様だが、新たに最大120Hzのリフレッシュレート(画面描画速度)に対応。
画面描画速度が上がることで、滑らかな表示が可能になり、ウェブサイトやSNSの閲覧などの普段使いから、正確なタッチ操作が求められるゲームでの利用など幅広いシーンで快適になる。
Xperia 5 IIは、ハードウェアとしては120Hz、残像低減技術により疑似的に240Hz相当の視覚効果も得られる。
撮影:小林優多郎
ディスプレイの120Hz駆動は、Xperia 1 IIでも搭載していない特徴なだけに、Xperia 5 IIではeスポーツ分野でのプロモーションも想定されている。
なお、Xperia 1 IIで120Hz駆動ができない理由について、ソニーモバイル担当者は「ディスプレイの解像度が1 IIの方が高い」ことを挙げている。
ハードウェアボタンとしては、右側面に新しく「Googleアシスタントボタン」が配置されている。専用ボタンとなっており、ほかのアプリなどを割り当てることなどはできない。
撮影:小林優多郎
Xperia 5 IIの基本的なスペック(括弧内は「Xperia 1 II」のもの)
- チップセット:Snapdragon 865 5G(同様)
- メモリー:8GB(8GBもしくは12GB)※
- ストレージ:128GBもしくは256GB(同様)※
- ディスプレイ:6.1インチフルHD+解像度有機EL(6.5インチ4K解像度有機EL)
- 画面描画速度:120Hz(60Hz)
- 背面カメラ:12MP×3(12MP×3+3D iTOF)
- 正面カメラ:8MP(同様)
- バッテリー:4000mAh(同様)
- 端子:USB Type-C、イヤホンジャック(同様)
- ワイヤレス充電:非対応(対応)
※メモリーとストレージの構成は販売される国や地域、チャンネルによる。
3D iToFセンサーなしでも、機能面は遜色なし
背面カメラは上側から超降格、望遠、標準の構成。
撮影:小林優多郎
Xperiaの特徴であるカメラやオーディオ機能もXperia 1 IIを引き継いでいる。
カメラに関しては、背面に16mm(超広角)、24mm(標準)、70mm(望遠)の3つの画角のレンズを搭載。背面のいずれのレンズも、ドイツの老舗レンズメーカーであるカール・ツァイスのレンズを採用し、不要な反射光を低減するT*(ティースター)コーティングが施されている。
プリインストールアプリ「Photography Pro」による高度なカメラ機能は、1 IIと同等。
撮影:小林優多郎
撮影性能としても、AF(オートフォーカス)/AF(自動露出)追従の最大20コマ/秒の高速連写機能や、リアルタイム瞳AFなどに対応。
Xperia 1 IIとXperia 5 IIのハードウェア的な差分としては被写体との距離を測る3D iToFセンサーの有無が挙げられるが、機能面にはあまり影響せず、ソニーモバイル担当者によると「暗所でのフォーカス速度などに多少影響が出る」程度だという。
フロントステレオスピーカーの音質は1 IIを凌ぐ
写真左からXperia 5 II、Xperia 5(ドコモ版)。1 IIには画面の上下にスピーカーが配置されている。
撮影:小林優多郎
オーディオ面もサラウンドで音響体験が楽しめる「Dolby Atmos」や、ソニーミュージックと協力して開発した高音質化技術「DSEE Ultimate」に搭載。
本体のスピーカーもXperia 5では画面上部に1基+下側面に1基のステレオスピーカーだったが、5 IIでは1 IIと同様の画面上下に1基ずつ配置するフロントステレオスピーカーを採用している。
ハードウェアとしては1IIと5IIのスピーカーは変わらないが、ソフトウェア的な最適化により、音質はXperia 5 IIの方が向上している。短い時間で実際に視聴してみたが、1人で音楽や映画を楽しむのであれば、安い外付けスピーカーなどは不要に思えた。
高性能、コンパクトにこだわり
やや角張っている印象だったXperia 1 IIに対して、Xperia 5 IIは全体的に角が取れている印象。
撮影:小林優多郎
価格がスペック相当のハインド機並みになっているが故に、“万人にオススメの汎用機”とは言えないが、最先端・フラグシップの1 IIと比べて、持ちやすさやデザイン、カラーバリエーションの点でより幅広い層へアプローチできる端末に仕上がっている。
カラーバリエーションは左からピンク、ブルー、グレー、ブラックの4色展開。
撮影:小林優多郎
日本での発売は前述の通り「予定しているが、時期未定」との公式見解だが、例年であれば各キャリアの秋冬モデルとして登場すると予想される。
2020年秋冬はiPhoneを含め、ハイエンドからミドルレンジまで多彩な5G対応端末が出てくる見込み。そんな中で、Xperia 5 IIは携帯性も性能も妥協したくないというニーズのユーザーにピッタリとはまりそうだ。
(文、撮影・小林優多郎)