REUTERS/Kevin Lamarque
前回は、商社が株式市場から低く評価されてしまう理由を、コングロマリット・ディスカウントと商社の事業のリスクの高さという点から解説してきました。
それならばなぜ、“オマハの賢人”ウォーレン・バフェットは5大商社に投資したのでしょうか? 今回はこの疑問について、3つの観点から考えてみたいと思います。
1. 市場に評価されるコングロマリットも
まず言えることは、前々回見たとおり、5大商社の株価は日経平均株価と比べても割安であるということ。バフェットの投資スタイルは割安株に投資をする「バリュー投資」ですから、5大商社がコングロマリット・ディスカウントにより市場に低く評価されていることは真っ先に見抜いたでしょう。
しかしおそらくバフェットは、その先を読んだはずです。5大商社の株価が割安であることは間違いないとして、将来的にその割安感が解消される見込みはどのくらいあるのだろうか、と。今は割安でも、この先株式市場が5大商社をきちんと評価して株価が上がらないかぎり投資家にとっては旨味がありませんから。
そのことを考えるうえでヒントになるのが、他ならぬバークシャー・ハサウェイという企業です。
バフェット率いるバークシャー・ハサウェイとはどのような企業なのか、みなさんはご存知ですか? “投資の神様”“オマハの賢人”と称されるバフェットがCEOを務める企業なので、投資会社なのではないかと思っている方も少なくないのではないでしょうか。