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【独占】Facebookが総額3億円を「国内の中小企業向けに援助」する理由 ── 「Instagramの日本発新機能も予定」と日本代表

FacebookとInstagramのアイコン

Facebook Japanは、3億円規模の「Facebook中小ビジネス助成プログラム」を開始した。

撮影:小林優多郎

Facebook Japanは9月24日、東京都内の中小規模の企業に対する助成プログラムを開始した。

同プログラムは総額3億円規模。中小企業約690社に対し、1社あたり25万円の助成金に加え、15万円分の広告クレジットを供与する。広告クレジットを使って広告を配信するにはFacebookやInstagramのビジネスアカウントが必要だが、助成金自体の受給にアカウントの有無は関係しない。

Facebookは全世界で1億ドル規模の中小企業向け支援を4月から実施しているが、今回のプログラムはその“日本版”。

助成金は新型コロナウイルス感染症拡大を受けて創設されたものだが、日本法人の意図はどこにあるのか。1月に日本法人の代表に就任した味澤将宏氏に話を聞いた。

日本法人は地方活性化など中小企業支援を続けてきた

大阪府との取り組み

2020年2月に協定を結んだ大阪府とFacebookは、6分野17項目について連携していくと発表している。

撮影:小林優多郎

Facebookは日本において、地方自治体と連携し、自治体とその周辺のビジネスにFacebookやInstagramのソリューションを活用してきた。

例えば、兵庫県神戸市(2018年7月)、山口県下関市(2019年1月)、岩手県盛岡市など東北5市(2019年7月)、大阪府(2020年2月)などと各種協定を結んでいる。

広告事業が収益の柱となっているFacebookにとって、自治体と連携し都市や地方のローカルビジネスを活性化させることは、CSR(企業の社会貢献)的な文脈に加え、自社のツール利用率向上に直結する。

本来であれば、2020年は東京五輪による訪日外国人の増加が見込まれ、世界中の人が利用するSNSであるFacebookやInstagramにとっては、非常に重要なタイミングだった。

コロナ禍で訪日外国人は激減するも“基本”は変わらず

コロナで業績不振

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、日本の中小企業に重くのしかかっている。

撮影:今村拓馬

しかし、コロナ禍で東京五輪は延期。街から訪日外国人はほとんど姿を消したばかりか、ターゲットである中小企業の多くも未曾有の経営難に陥っている。

この状況を受けて、味澤氏は「渡航制限などもあり、観光案内の需要などは落ちている」としつつも、「政府主導のGoToキャンペーンを中心に、(すでにFacebookやInstagramを活用している中小企業には)国内旅行の需要喚起に活用してもらっている」と話す。

コロナ禍を受けて“内需”に方向性をシフトした形だが、味澤氏は「(外需と内需)どちらかにフォーカスすることではない」と語る。

「中小ビジネスの方々の中には、アカウントは持っているのだけれど、活用法を知らない方がまだまだ多い。まずは使い方から始める。一番手前のことを、しっかりやっていく」(味澤氏)

コロナ禍が明けたとき、準備万端という状態でさまざまな需要をカバーするために、従来のような基本的なビジネス活用法をウェビナーなどで啓蒙したり、前述の具体的な助成金で支援していく方針だ。

Facebook自身も働き方やオフィスの在り方を見直す

味澤将宏氏

Facebook Japan代表の味澤将宏氏(2020年2月撮影)。

撮影:小林優多郎

Facebook自体は、このコロナ禍でどのような状況になっているのだろうか。

Facebookは3月上旬から全世界的に完全リモートワーク体制に入った。日本法人も例外ではない。

チームの生産性については味澤氏は「ほとんどが落ちていない、オフィスで働いているのと同等以上」と語る。

一方で、リモートワークを開始後しばらくして社員同士のつながりが希薄になっていることに気づいたという。オフィスでの何気ない交流がなくなることによって発生する損失は、無視できない。

Facebookは2021年7月まで、希望する社員はリモートワークを続けることができる。しかし、内部的には、今後5〜10年でリモートで働くことが当たり前になることを想定して準備を進めているという。

「オフィスは、社員がある一定の期間で集まる場所になる。オフィス自体がなくなることはないが、求められる機能や投資の方向性は変わってくる。

また、リモートで働くことで社内のカルチャーに影響はあるのか。カルチャーをどう作っていくかも重要だ。(リモートワークを始めて)半年ではわからない。時間をかけてみていきたい」(味澤氏)

Instagramが強い日本から新機能を世界へ

イベントをタグ付け

例えば、Instagramのフィード投稿にイベントをタグ付けする機能はまず日本から導入した(2020年8月)。

出典:Facebook

Facebookは、「Instagram」や企業向けSNSの「Workplace」、VRブランドの「Oculus」などの製品ポートフォリオを持っている。

Instagramについては日本が世界で唯一、アメリカ以外にプロダクトチームを設置しており、同社内でもとくに注力していく市場とされている。

8月26日にローンチしたInstagramのフィード投稿にイベントをタグ付けする機能は日本で企画され、導入が決まった。味澤氏は今後も個人が楽しめる機能を中心に「“日本発の機能”を展開していきたい」と話している。

コロナ禍で「テレワーク」「巣ごもり消費」などが進む中、豊富なグループアセットを持つFacebookが日本のコンシューマーや中小企業にどう影響を与えるのか、今後の動きにも注目だ。

(文、撮影・小林優多郎

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