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英首相のコロナ対策は、「ロックダウンしない」スウェーデンの専門家に助言を受けていた

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Leon Neal/Getty Images

  • イギリスのボリス・ジョンソン首相は9月22日にコロナウイルスへの新対策を発表したが、その前にスウェーデンの対策の立案者であるアンデシュ・テグネル氏からレクチャーを受けていた。
  • この新たな対策には、バーやレストランの夜間閉店が含まれるものの、首相の顧問が推奨している厳しい措置には遠く及ばないものだ。
  • スウェーデンは完全なロックダウンは行わないと方針を取っているがテグネル氏はその立案者だった。
  • スウェーデンは近隣諸国と比べ、はるかに高い死亡率を記録しているが、現状のデータは、スウェーデンがイギリスと違って第2波を経験していないことを示唆している。

イギリスのボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は、より厳しいコロナウイルス対策を却下する前に、アンデシュ・テグネル(Anders Tegnell)氏からアドバイスを受けていた。テグネル氏は、スウェーデンの完全なロックダウンは行わないというコロナ対策を立案した人物だ。

イギリス首相官邸は9月24日、ジョンソン首相が新たな措置を発表する前に正式な顧問ではない他国の専門家から説明を受けていた、というスペクテイター(Spectator)誌の報道を認めた。

今回の新たな対策には、バーやレストランの夜間閉店が含まれているが、首相の医療顧問が推奨したと報じられている厳しい措置には至らなかった。

このレクチャーにおける注目の人物は、物議を醸しているスウェーデン政府のパンデミック対策の立案者、アンデシュ・テグネル氏だ。ジョンソン首相のスポークスマンによると、「9月20日の午後、首相はZoomによる会議で多くの科学者から説明を受けた。首相は閣議室にいて、彼(テグネル氏)も参加者の1人だった」という。

近隣の北欧諸国や他の多くの国と違い、スウェーデンは最初のコロナウイルスの大流行に対し、大規模なロックダウン措置を取らなかった。その代わり、2020年後半にやってくるであろう第2波を回避するために、店舗やバー、レストランに対し営業を続けること、学生に対しては授業に出ることを許可していた。

スウェーデンは、近隣諸国に比べはるかに高い死亡率を記録している。コロナウイルス感染による死者数は、9月24日朝の時点で5876人。一方、隣国のノルウェーではわずか267人だ。

スウェーデンの対応を支持する人々(一部の保守党議員を含む)は、スウェーデンがイギリス、スペイン、フランスとは異なり、コロナウイルスの第2波を経験していないという事実を指摘している。第2波を回避するのに十分なレベルの免疫を同国が得たと示唆する科学者も出始めた。

だがスウェーデンは、最近になって首都ストックホルムでの感染者が急増したため、一部の地域を完全にロックダウンすることを検討している。

ジョンソン首相は9月24日、接客業の午後10時での閉店を発表し、これまで労働者にオフィスへ戻るよう要請していたが、可能であれば自宅で仕事をするよう要請した。

だが、イギリス政府の新たな対策は、スコットランドや北アイルランドで導入されたものほどではない。これらの地方政府は、室内での他の世帯との交流を禁じている。

[原文:Boris Johnson took advice from Sweden's no-lockdown scientist before rejecting tougher coronavirus restrictions

(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)

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