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外資EC大手Shopifyが「日本に前のめり」の理由… リアル店舗統合「POS新機能」「JCB対応」も

ショッピファイ ロゴ

ECプラットフォームを提供するShopifyは、日本向け施策を発表した。(写真は2019年8月撮影)

撮影:小林優多郎

ECプラットフォーム・Shopify(ショッピファイ)は9月29日、最新POSアプリを日本向けに提供開始したほか、JCBやPayPayへの対応などを発表した。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、小売業のEC化のニーズは世界的に高まっている。実際、ショッピファイを導入する事業者の2020年上半期の売上総額は475億ドル(約5兆円)と、過去最高を記録している。

コロナ禍で追い風が吹く状況で、改めて日本向けの施策を強く押し出したショッピファイ。その背景をショッピファイ日本法人のカントリー・マネージャー、マーク・ワング氏に聞いた。

日本語対応したPOSアプリでオンラインとオフラインを統合

POSの新機能

5月にグローバルで提供していたPOSの新機能が日本向けにも提供される。

出典:Shopify

発表された中でも注目の機能は、「Shopify POS」のリニューアルだ。

従来もショッピファイでは、POSアプリを展開していたが、日本語対応に一部不具合があったり、2020年5月にグローバルで発表されていた新機能が日本では提供されていなかった。

スマートグリッド

スマートグリッドはPOSの機能をカスタマイズできる機能。

出典:Shopify

今回の発表は、日本でも以下の新機能が使えるようになったほか、正式に日本語をサポートするといったものだ。Shopify POSによって事業者は、ネットショップでも実店舗でも、売り上げや在庫、スタッフの管理などを統合管理できるようになる。

  • スマートグリッド……POSに表示されたタイル状のUIを自由にカスタマイズできる。カートに入っている商品に応じて内容を変えることもできる。
  • グローバルサーチ……オンライン・オフラインを問わずあらゆる拠点の商品を検索できる
  • ロケーション……在庫管理
  • スタッフ管理機能……スタッフごとのデータの取り扱いに関する権限を設定、スタッフ毎の売上なども分析できる
  • BOPIS(店頭受取)……お客がオンラインで商品を購入、受け取りを店頭に指定した際、受け取り時のフローをPOSアプリで完結する
  • EasyPoints……オンライン・オフラインで共通した独自ポイントシステムを構築できる。日本市場向けに初導入。

POSのプラン

Shopify POSの料金プランは無料と有料の2種類。

出典:Shopify

新機能が利用できるPOSアプリは、当初iOS/iPadOS向けのみだが、Android向けにも今後展開予定。

利用料金は無料の「Shopify POS Lite」と、スタッフ管理機能などを必要とするある程度規模のある事業者向けの「Shopify POS Pro」(通常時月額89ドル、約9400円)の2種類。いずれもショッピファイのいずれかのプラン(月額9ドル〜)に加入している必要がある。

支払い画面

Shopify POSではさまざまな支払い方法を登録できるが、ハードウェア的な連携については日本ではまだ。

出典:Shopify

なお、ショッピファイはアメリカなどでPOSアプリと連携するクレジットカードのICチップやNFCでの非接触決済(Apple PayやGoogle Payを含む)ができる小型リーダー端末を展開しているが、現時点では日本での取り扱いはない。

これについてワング氏は「Shopify POSはマニュアルでさまざまな決済方法に対応できる」としつつも、「日本向けにも投入するために力を入れている」と今後の導入に意欲を示している。

JCB対応は「長い時間をかけて準備をしてきた」

PayPay対応

ShopifyはSB Payments Serviceとの連携によりPayPayもサポート。

出典:Shopify

また、オンラインの決済方法として、日本の事業者からの要望の強かった日本発の国際ブランドJCBへの対応や、「ECプラットフォームで初めて導入する1社になる」(ワング氏)とするPayPayへの対応なども行われる。

JCB対応

新たに日本のクレジットカードブランドであるJCBに対応する。

出典:Shopify

とくに、JCBへの対応は「長い時間をかけて調整し、準備をしてきた」ワング氏は語る。

決済手数料は従来ショッピファイが対応するVisaやMastercard、アメリカン・エクスプレスなどより多少高くなり、他のブランドが加盟店審査が一括して即時で行われるのに対し、JCBでは別途レビューが発生したりするなど、JCBが“独自の扱い”なのは他のプラットフォーム事業者と変わらない。

それでもショッピファイの場合は、事業者が入力すべき項目を共通化するなど「できる限り短い審査プロセス」(ワング氏)を採用するなど、他社との差別化を図っている。

ショッピファイは日本市場で175%の成長率

マーク・ワング

ショッピファイ 日本カントリー・マネージャーのMark Wang(マーク・ワング)氏。

出典:Shopify

そのほかにもショッピファイは、ランサーズやウェブ解析士協会、東京フリーランスなどと共同でEC構築などの講座を展開するほか、フルフィルメントサービス「Fulfillment by ZOZO」との連携など、日本独自の施策に力を注いでいる。

ワング氏によると日本市場は「2019年上期と2020年上期で比較すると、新規ストア開設数は175%成長している」と話す。

一方で、ワング氏は現在の成長は新型コロナによる大きな変動によるものとしており、「今の時点で(今後の)予測をするのは難しい」と慎重な構えも見せている。

ただ、「(ショッピファイにとって、日本市場は)世界で見ても有数な成長市場で、小規模から大規模まで成長している」とし、今回の新機能を含めて今後も日本の事業者のニーズに応えるため、「(日本市場に)投資を続けていく」と語っている。

(文・小林優多郎

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