「教養」「学び直し」と、昨今の「教養ブーム」に押されるように、歴史やアートの本を買ったシマオ。しかし大して読まないまま、積ん読となることも多く……。「教養は身に付けたいけど、この方法でいいのだろうか?」といまいち自信が持てないシマオは、教養人になるために必要なこととは何かを、佐藤優さんに聞いた。
「教養」の前に、「修養」を身に付けることが大事
シマオ:こないだ電車に乗っていたら、吊り広告に「これからのビジネスパーソンには教養が必要だ」って言葉があって、ハッとしたんですよ。僕に教養なんてあるだろうか……って。ビジネス書とかでもリベラルアーツが必要だと書いてありますし。どうしたらいいんでしょう?
佐藤さん:そもそも、「リベラルアーツ」という言葉はどういう意味か知っていますか?
シマオ:何でしょうか……?
佐藤さん:リベラルというのは自由、アーツつまりアートは技芸や技術という意味です。ヨーロッパの大学で「自由七科」と呼ばれていた、文法や修辞法、それに算術や幾何学、天文学などを指します。奴隷ではなく自由人として生きていくために必要な実践知識のことで、それが教養と呼ばれるようになりました。
シマオ:なるほど。数学……文系の僕には厳しいからやっぱり教養がないってことですよね……。教養を身に付けるにはどうしたらいいんでしょうか?
佐藤さん:そもそも、教養と言うのは身に付けようと思って身に付けるものではなくて、結果として身に付いているものなんです。そして、教養が身につくためには、前段階として修養が必要だというのが私の考えです。
シマオ:修養?