グーグルは、スマートフォン2製品を含む新製品を発表。日本でも展開していく。
撮影:小林優多郎
グーグルは10月1日、スマートフォンやスマートスピーカーなどの新製品をグローバルで発表。既に直販サイト「Google Store」では一部製品の予約が始まっている。日本でも以下の製品が発売される見込みだ。
- Pixel 5……スマートフォン、7万4800円、10月15日発売
- Pixel 4a (5G)……スマートフォン、6万500円、10月15日発売
- Nest Audio……スマートスピーカー、1万1550円(税込)、10月15日発売
- Chromecast with Google TV……テレビに接続するHDMI機器。日本での価格・発売時期は不明(アメリカでは49.99ドルで発売中)
なお、Pixel 5はKDDIとソフトバンク、Pixel 4a (5G)はソフトバンクのみが取り扱う。KDDIがPixelシリーズを販売するのは今回が初めて。
2つの5G対応スマホは共通点が多い
9カ国で10月15日から発売される「Pixel 5」。
出典:Google
「Pixel 5」は、6インチの有機ELディスプレイを搭載。防水性能を備えたモデル。もう1つの「Pixel 4a (5G)」は6.2インチディスプレイを搭載。防水には非対応でPixel 5に比べれば、“お手頃な入門機”といったポジションの端末になる。
アメリカではPixel 5と比べて200ドルも安い「Pixel 4a (5G)」
出典:Google
だが、Pixel 5と4a (5G)は共通する仕様が多い。
まず、心臓部であるチップセットが同じクアルコム製「Snapdragon 765G」を搭載。そのため、日本向けモデルの5G対応バンドの仕様も共通となっている。
カメラ機能もスペックも、5と4a (5G)で共通。
出典:Google
次に、Pixelシリーズの代表的機能であるカメラも同スペックのものが採用されている。背面カメラは、12.2MP+標準レンズ、16MP+超広角レンズの2眼構成。正面カメラは8MPのものが1つ。
新しい撮影機能である、映画さながらのパン操作(カメラの向きは固定したまま水平や垂直方向に移動しながら撮影する技法)にも、Pixel 5も4a (5G)は対応する。
8月発売の「Pixel 4a」の背面カメラが12MP+標準レンズの1眼仕様だったことも考えると、4a(5G) は名前こそ「4aの5G対応版」だが、実質的には「5の廉価版」と捉えることもできる。
選ぶポイントは「防水」「Qi充電」「メモリー」など
ワイヤレス充電およびバッテリーシェアなどの機能はPixel 5にしかない。
出典:Google
では、Pixel 5と4a (5G)を選ぶ基準はどこにあるのか。
Pixel 5が4a (5G)と比べて高性能である点は、前述のとおり防水(IPX8相当)やワイヤレス充電(Qi規格)対応、8GBメモリー、90Hzの画面描画速度(リフレッシュレート)に対応しているところだ。
これらにこだわりがあるのであれば、Pixel 5を選ぶべきだ。一方で、予算と性能のバランスをとりたい、5Gを手軽に試してみたいと言う場合はPixel 4a (5G)でも十分に満足できるだろう。
グーグルが公開しているPixelシリーズのスペック比較表。
出典:Google
今回のPixel 5と4a (5G)と、従来のPixelシリーズを比べると製品コンセプトは大きく変わらないものの、製品全体をやや「お手頃感」に振ってきたと感じる。
日本では初のPixelとなったPixel 3/3aも、その後のPixel 4/4aもチップセットなどの基本的性能を見ると「aなし」のモデルがハイエンド、「a付き」のモデルがハイミドルレンジという立ち位置だった。
8月に発表されたPixel 4aはスペック的に「正統派ハイミドルレンジ機」といった印象だった。
撮影:小林優多郎
しかし、今回の「aなし」であるPixel 5は4a (5G)と同じハイミドル向けのチップセットを搭載している。歴代の「aなし」モデルと並べると(実際のベンチマークスコアなどは不明だが)ややスペックダウンした印象を受ける。
グーグルの担当者はオンライン発表のなかで「4aは3aより好調」だと語っていた。日本市場も例外ではないが、「値段的にお手頃だが十分使える端末」の人気や製品品質は年々上がっている。
本来ハイエンドであるはずの「aなし」のPixel 5がハイミドル級になったのは、そういった潮流をグーグルが見極めた結果ではないだろうか。
スマートホーム向け製品も新しく登場
音量・音質が大きく改善された「Nest Audio」。
出典:Google
Pixel以外にも、“家の中向け”の2製品が登場。
スマートスピーカーの「Nest Audio」は、初代純正スマートスピーカーである「Google Home」と比べて75%音量が大きく、低音が50%強くなっており、“音楽体験の向上”がコンセプトの製品。
一方で、「Chromecast with Google TV」はテレビをスマートテレビ化できる端末で、4K HDRやDolby Visionのコンテンツを扱える。
Chromecast with Google TVは、HMDIドングルと音声リモコンのセット。カラーバリエーションは3種類。
出典:Google
従来のChromecastシリーズは主にスマートフォンのアプリなどで操作する製品だったが、今回はマイク付きのリモコンが付属する。Googleアシスタントでの操作のほか、YouTubeやネットフリックス専用ボタンがあるため、瞬時に利用したいストリーミングサービスを起動できる。
どちらも日本展開が正式アナウンスされているが、Chromecast with Google TVについては価格や発売時記が明らかになっていない。
(文・小林優多郎)