「歩くクルマ」の研究を開始…ロボット工学との融合で用途を拡大

ヒュンダイは、ロボットとクルマを融合した乗り物を開発しようとしている。

ヒュンダイは、ロボットとクルマを融合した乗り物を開発しようとしている。

Hyundai

  • ヒュンダイは、同社が「究極のモビリティ・ビークル」と呼ぶ乗り物の開発を行う「ニュー・ホライズン・スタジオ」の設立を発表した。
  • その乗り物は、ロボット工学とタイヤによる移動技術を融合したもので、過酷なオフロードでも走行できると、ヒュンダイは述べた。
  • 同スタジオは最初に、ヒュンダイが2019年に発表した、4本のロボット脚を持つ「エレベート」の開発に着手する。

陸上の乗り物といえば、ほとんどの人が4個のタイヤが付いた箱状のものを思い浮かべるだろう。だがヒュンダイ(現代自動車)は、このような基本的な形をアップデートできると考えている。4個のタイヤでハイウェイを走るだけでなく、4本の脚で地面を歩くこともできる乗り物を想像してみてほしい。

ヒュンダイは9月28日、「ニュー・ホライズン・スタジオ」を設立すると発表した。これは、同社が「アルティメット・モビリティ・ビークル(UMV)」と呼ぶ車両の開発に特化したデザインスタジオだ。UMVは「車両開発の限界に挑戦する」もので、「ロボット工学とタイヤによる移動技術の融合による前例のない機動力で、オフロードでも自在に移動できる」とヒュンダイは述べた。

スタジオの詳細については明らかになっていないが、まずは2019年のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)でコンセプトが発表された「エレベート(Elevate)」の開発に着手すると同社は述べた。

エレベートは、自然災害が発生したときに、救急隊員などが被害者を救出するのに役立つだろうと、ヒュンダイは述べている。

エレベートは、自然災害が発生したときに、救急隊員などが被害者を救出するのに役立つだろうと、ヒュンダイは述べている。

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エレベートの特徴は、4つの車輪に4本のロボットの脚が取り付けられていることだ。それによって、さまざまな場面に対応できるという。

例えば、自然災害で壊滅状態となった場所での救急隊の活動や、スロープなどが設置されていない玄関口からの車椅子利用者の移動などに利用できると、ヒュンダイは考えている。

エレベートなら車椅子利用者を玄関まで迎えにいけるとヒュンダイは述べている。

エレベートなら車椅子利用者を玄関まで迎えにいけるとヒュンダイは述べている。

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2019年にエレベートを発表した際にヒュンダイは、高速道路のスピードで走行し、5フィート(約1.5メートル)の壁を乗り越え、「哺乳類と爬虫類の歩き方」を再現してどの方向にも動くことができると述べている。現実の世界ではなくSF映画に出てくるような乗り物だ。

同社は「未来のモビリティを形作る」というヒュンダイのビジョンの実現に、ニュー・ホライズン・スタジオが貢献するだろうと述べたが、そのプロトタイプがいつ公開されるのかについては明言しなかった。

[原文:Hyundai just formed a division to build walking vehicles that can drive at highway speeds and climb walls

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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