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コロナで急成長した企業トップ3人の鮮烈な言葉

新型コロナウイルスは、多くの企業の業績に影を落としている。信用調査会社の東京商工リサーチによると、コロナ関連による経営破たんは全国で579件に上る(10月9日)。

しかし、そんな中、むしろ売り上げを拡大し、成長を加速させてきた企業もある。創業者でもある彼ら彼女らが目指した社会が、コロナ下で社会からより求められたということでもある。そんな企業トップ3人のインタビューをご紹介しよう。

【BASE CEO・鶴岡裕太】流通総額の伸びが2倍に

BASE CEO 鶴岡裕太

撮影:伊藤圭

「BASE」は、誰でも簡単にネットショップを始められるプラットフォーム。テンプレートから好きなデザインを選ぶだけでネットショップが開設でき、決済機能も簡単に取り入れられる仕様が支持を集めてきた。

新型コロナウイルスの感染拡大で発令された緊急事態宣言により、実店舗の休業を余儀なくされた事業者の受け皿となり、3月から4月にかけての流通総額(GMV)の伸びはなんと2倍。実店舗での売り上げが突然ストップした事業者にとって、まさに“救世主”のような役割を果たした。

BASE創業者でCEOの鶴岡裕太さんはこう話す。

「これまで7年半かけて積み上げてきたGMVと同じ額が、たった1カ月で上乗せされた。こういう事態に貢献できるサービスをつくってきたつもりでしたが、想像を遥かに超えたスピードでの成長速度に自分たちもついていくのに必死。社内はてんやわんやでした」

2019年には80万店舗だった加盟店の数は、2020年7月までで一気に110万店舗を突破。もともと多かったアパレルや雑貨系の店舗に加え、食品通販に参入した飲食店の参加は前年比10倍となった。

BASE CEO 鶴岡裕太 年表

撮影:伊藤圭

鶴岡さんの信念は、「フェアでありたい」「どちらかだけが得をしている構造には未来がない」だ。現在30歳の若手起業家の言葉に込められた真意とは?

【ココナラ社長・南章行】出品数が前年比2倍に急増

ココナラ社長 南章行

撮影:竹井俊晴

「ココナラ」は、個人が「得意なこと」「好きなこと」をネット上で直接売り買いするスキルシェアサービスの先駆けとして、8年前にサービスを開始。WEBデザイン、イラスト、動画制作、作曲、マーケティング相談、恋愛相談など、多種多様なスキルサービスが自由に値付けされ、販売されている。

登録会員数は150万人を突破し、出品数は200種以上のジャンルから30万点を超えるが、新型コロナウイルスの影響が深刻化した2020年4〜5月には、出品数が前年比2倍に急増。

外出自粛や在宅勤務で家で過ごす人が増え時間に余裕ができたことに加え、休業などで減った収入を補いたいというニーズの高まり、そして、この未曾有の危機を受けて「会社に頼らなくても稼げる力を身に付けたい」と考える個人が増えたことの表れなのかもしれない。

ココナラ社長 南章行

撮影:竹井俊晴

創業者で社長である南さんがココナラを創業したのも、まさしく「個人の“生きるチカラ獲得”を応援したい」という思いから。どんな場所でも精一杯努力して力を出し切るたくましさ。同時に、「ここじゃなくてもやっていける」といつでも飛び出すことができるしなやかさ。それこそが、「個で生きる時代に必要な資質」だと南さんは言う。

【ビビッドガーデン社長・秋元里奈】流通額が35倍に

ビビッドガーデン 社長 秋元里奈

撮影:伊藤圭

「食べチョク」を通じ、生産者と消費者をオンラインでマッチングするプラットフォームを運営しているビビッドガーデンは創業して4年目。

コロナによる営業自粛は中でも飲食店や生産者を直撃した。2020年2月末に生産者から「助けて」の連絡が立て続けに数件きたと思ったら、3月にはレストラン事業者から「店が成り立たない」と悲鳴が。これまで取引のなかった生産者から申し込みも相次ぎ、4月から6月の2カ月で契約生産者数は約2倍に。流通額は2月から5月の3カ月で35倍に伸び、購入者の目標契約件数は1年前倒しで達成してしまった。

コロナ禍の緊急対策として送料の一部をビビッドガーデンが負担したため(5月で終了)、契約件数が急伸したわりに利益は出ていないという。創業者で社長の秋元里奈さんは、こう話す。

「消費者にとって送料は心理的なハードルになります。お試しも含めてまずは購入して食べてもらいたいと思いました。そうでないと、ギリギリのところでやっている農家さんや生産者さんが、農業や漁業を辞めてしまうかもしれない」

そう述べる秋元さんの実家もまた農家だったが、子どもの頃から「農業は継ぐな」と言われて育ち、大学卒業後はDeNAに入社。

ビビッドガーデン 社長 秋元里奈 年表

撮影:伊藤圭

社会人になって3年目のある日、久しぶりに実家に帰ったとき、広かった農地が荒れ果てている景色に衝撃を受けた。その後、DeNAで2つほどの事業モデルを試行錯誤したのち、秋元さんは利益率が低く労働集約型の農業を選んで起業することになる。会社の「行動指針」の筆頭は、「生産者ファースト」だ。


3本のインタビューは連載「ミライノツクリテ」にて掲載。ミライノツクリテでは、批判的な意見、慎重な見方を跳ねのけて行動を起こし、いまも歩みを止めない「ツクリテ」たちのライブ感あふれる等身大の姿を追う。

彼ら・彼女らはなぜ、周囲の「No」に心挫かれることなく行動を起こすことができたのか? 途中で足がすくむことはなかったのか? そもそもなぜ「それ」に挑もうと思ったのか? 取材を通して明らかになる素顔、信念、情熱、そして息づかいを、生き生きとした筆致で描き出す。

ミライノツクリテの一覧はこちらからどうぞ。

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