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「全てが市場の自由によって解決できるわけではない」ローマ教皇フランシスコ、"オマハの賢人"ウォーレン・バフェットに同調

教皇

ローマ教皇フランシスコ(2020年10月4日、バチカン)。

REUTERS/Remo Casilli

  • ローマ教皇フランシスコは、自由市場は拡大する格差に対処できないと、"オマハの賢人"ウォーレン・バフェット氏と同様の考えを示した。
  • 教皇は週末に発表した回勅「フラテッリ・トゥッティ」の中で、トリクルダウン理論といった"魔法の理論"が社会の全ての問題を解決するわけではないと指摘した。
  • バフェット氏も、市場は一部のスキルに報酬をもたらすが、一部のスキルにはもたらさず、政府が介入しなければ格差はさらに深刻化すると主張している。
  • 「これは悪魔のような筋書きでも何でもない。市場システムのせいだ」とバフェット氏はYahoo Financeに語った

ローマ教皇フランシスコは週末に発表した回勅「フラテッリ・トゥッティ」の中で、拡大する格差は規制のない自由な資本主義のせいだと、ウォーレン・バフェット氏に同調した。

「市場はそれ自体で全ての問題を解決することはできない。新自由主義信仰というこの教義を信じよと、どれほど求められようとも」と教皇は述べた。

その上で、教皇は"トリクルダウン経済" —— 富める者が財を成せば、自動的にお金は貧しい人々のポケットに流れ込むだろうという考え —— に言及し、「新自由主義は、社会問題に対する唯一の解決策として『スピルオーバー』もしくは『トリクル』という魔法の理論に訴えることで自らを再生する」と続けた。

教皇は、世界中で急増している失業者といった新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響を「全てが市場の自由によって解決できるわけではない」ことの証拠として挙げた。

ビリオネアの投資家でバークシャー・ハサウェイのCEOでもあるバフェット氏は4月、同様の考えをYahoo Financeのインタビューで示していた。

「資本主義が発展するにつれ、政府が何かしら手を打たない限り、マーケット・スキル —— 市場が求めるスキルは何でも —— を持つ人とそうでない人の差が広がっていくことは明白だ」とバフェット氏は語った。

そして「これは悪魔のような筋書きでも何でもない。市場システムのせいだ」と付け加えた。

"オマハの賢人"と呼ばれるバフェット氏は、この問題に立ち向かう2つの方法 —— 労働者層の税負担を減らすためのより寛大な所得控除と超富裕層に対する税金の大幅値上げ —— を提案した。

自身の財産の99%以上を慈善事業に寄付する予定のバフェット氏は、超富裕層に対する増税を繰り返し政治家に呼びかけてきた。既存の法律では、自身の秘書よりも税率が低いという。

教皇と"賢者"

バフェット氏

"オマハの賢人"とも呼ばれるウォーレン・バフェット氏。

Getty Images / Drew Angerer

バフェット氏はこれまで何度かローマ教皇に言及したことがある。

2006年の株主向けのレターでは、効率的市場仮説 —— 株価は手に入る全ての情報を反映しているという考え —— を批判することは、神への冒涜になるとの考え方を嘆いた。

「効率的市場仮説に疑問を呈する度胸のある金融の指導者が出世できる可能性は、ガリレオがローマ教皇に指名されるのと同じくらいのものだ」とバフェット氏は言った。

バフェット氏は1986年のレターでも、バークシャー・ハサウェイのマネジャーたちの極端なこだわりを強調する例え話の中で教皇に言及している。

「わたしたちの職業上の熱意の原型は、バチカン巡礼のために長い年月をかけてコツコツ蓄えた貯金を使ったカトリックの仕立て屋だ」とバフェット氏は言った。

「巡礼から戻ると、その教区では彼から教皇の目撃談を聞くために特別な会合が開かれた。熱心な信徒は『教皇はどんな人だったか教えて』と尋ねた」

「英雄は言葉を無駄にしなかった。『彼は44歳、中肉中背だ』」

[原文:Pope Francis echoes Warren Buffett in a letter blaming free markets for rising inequality

(翻訳、編集:山口佳美)

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